Nicheシンドローム

ONE OK ROCK 4thアルバム『Nicheシンドローム』：ロングヒットを記録した代表作

2010年9月15日にリリースされたONE OK ROCKの4枚目のオリジナルアルバム『Nicheシンドローム』は、バンドにとって大きな転換期を象徴する作品と言えるでしょう。前作『感情エフェクト』から約1年7ヶ月ぶりとなる本作は、バンドの新たな方向性を示すだけでなく、音楽シーンにおける彼らの地位を確固たるものにしました。

アルバムタイトル『Nicheシンドローム』の“Niche”とは、「隙間」「窪み」という意味。特定の層だけをターゲットにした音楽に偏ることなく、より普遍的で質の高い音楽を追求したいという、バンドの強い意志が込められています。このコンセプトは、アルバム収録楽曲の多様性と、それぞれの楽曲が高い完成度を誇っているという点において、明確に表現されています。

特に、リードトラック「Liar」や、オリコンチャートでトップ10入りを果たした「完全感覚Dreamer」は、彼らの音楽性を広く知らしめるきっかけとなりました。これらの楽曲は、力強いサウンドとキャッチーなメロディーが融合し、多くのリスナーの心を掴みました。また、「じぶんROCK」や「Wherever you are」といった楽曲も、高い人気を博し、アルバム全体のクオリティの高さを際立たせています。「Wherever you are」は、2016年にNTTドコモのCMソングとして起用されたことで、さらに幅広い層に知られるようになり、発売から5年半後にもロングヒットを記録するという異例の成功を収めました。

アルバムには、英語詞のみで構成された「Never Let This Go」や、メンバーの心情を赤裸々に表現した「Nobody's Home」など、バラエティに富んだ楽曲が収録されています。「Nobody's Home」は、Takaの両親である森進一さんと森昌子さんへの謝罪と感謝の気持ちを歌ったもので、ライブのアンコールで頻繁に演奏される人気曲です。

初回限定盤には、シークレットトラック「男と女について」や、複数のミュージックビデオ、ライブ映像などを収録したDVDが付属。通常盤とは異なるジャケットデザインも魅力の一つです。

『Nicheシンドローム』は、オリコン週間アルバムチャートで初となるトップ10入りを果たしただけでなく、その後もチャートインを繰り返し、2015年にはチャートイン回数200回を達成。2016年には年間アルバムチャートにもランクインし、2017年には300回、2019年には400回と、驚異的なロングヒットを記録しました。この記録は、彼らの音楽の普遍的な魅力と、リスナーからの揺るぎない支持の大きさを示しています。

また、着うたサイト「レコチョク」でも、「完全感覚Dreamer」「じぶんROCK」「Liar」が2010年上半期のダウンロードランキング上位3曲を独占。さらに「完全感覚Dreamer」は年間ランキング1位を獲得するなど、デジタル音楽シーンでも大きな成功を収めました。

『Nicheシンドローム』は、単なるアルバムという枠を超え、ONE OK ROCKの音楽性と人気を飛躍的に高めた、バンドの歴史において重要な位置を占める作品と言えるでしょう。その高い完成度と、時代を超えて愛される楽曲の数々は、多くのリスナーに長く記憶されるに値するものです。

収録曲

Introduction
Never Let This Go
完全感覚Dreamer
混雑コミュニケーション
Yes I am
Shake it down
じぶんROCK
Liar
Wherever you are
Riot!!!
アダルトスーツ
未完成交響曲
* Nobody's Home (通常盤/初回限定盤)

(※シングル曲およびカップリング曲の詳細は各ページを参照)

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