AAA 28thシングル「No cry No more」詳細解説
2011年
6月22日、エイベックス・トラックスより発売されたAAAの28枚目の
シングル「No cry No more」。前作「
ダイジナコト」から約4ヶ月ぶりのリリースで、音楽シーンに大きなインパクトを与えました。
楽曲の魅力と制作陣
この
シングル最大の注目点は、
小室哲哉氏が楽曲提供と編曲を手掛けたことでしょう。往年の名コンビ、
久保こーじ氏との編曲は、
シングル曲では初となる試みでした。小室氏によるパーカッションを含む全打ち込みによるサウンドは、楽曲に独特の深みと広がりを与えています。作詞は
小室哲哉氏と
日高光啓氏(ラップ詞)、作曲は
小室哲哉氏という豪華布陣。小室氏の楽曲提供は「No cry No more」のみで、カップリング曲は小室氏以外の作家陣によるものとなっています。また、今作から小室氏のクレジットは「Executive Producer: masato max matsuura」となり、総合プロデューサーではなくなっている点が興味深い点です。
収録内容と様々な限定盤
「No cry No more」の
シングルには、複数のジャケットが存在し、それぞれに異なる収録内容が用意されています。
ジャケットAとBは、CDとDVDがセットになった構成で、DVDにはミュージックビデオとメイキング映像が収録されています。ジャケットCには、夏もののアルバム「夏もの」に収録されている「SUNSHINE」の新ボーカルバージョンが追加収録されています。さらに、
さいたまスーパーアリーナ公演を記念して、ライブ会場とmu-moショップ限定で発売されたジャケットDには、メンバー紹介映像が収録されたCD EXTRAが付属。また、ジャケットDは「えーパンダ」とのコラボジャケットで、メンバーサインとメッセージ入りの9つ折りポスターも封入されている特別な仕様です。mu-moショップ限定盤には、5周年記念企画「Think about AAA 5th Anniversary」の楽曲も収録されています。各ジャケットによって収録楽曲や付属物に違いがあるため、コレクターにとっては見逃せないポイントでしょう。
商業的な成功とタイアップ
「No cry No more」は、オリコン
シングルウィークリーチャートで「
負けない心」以来となるTOP3入りを果たし、初動売上は約4.7万枚と、当時としてはAAAの
シングルにおける自己最高記録を樹立しました。この成功には、イトーヨーカドーのCMソングとして起用されたことも大きく貢献しています。全国のイトーヨーカドー店舗でも発売されたことで、より広い層への認知度向上に繋がったと言えるでしょう。
芸能人からの評価
SUPER☆GiRLSの
勝田梨乃さんは、AAAの好きな曲として「No cry No more」を挙げ、
宇野実彩子さんの歌唱、特に
転調部分の高音の歌唱力を絶賛しています。これは、楽曲のクオリティの高さと、AAAのパフォーマンス力の高さを裏付けるものと言えるでしょう。
まとめ
「No cry No more」は、
小室哲哉氏という大物プロデューサーを迎え、AAAの新たな一面を示した重要な作品です。オリコンでの好成績、イトーヨーカドーCMソングタイアップ、そして様々な限定盤の発売など、商業的にも大きな成功を収めました。楽曲自体のクオリティの高さと、多様な限定盤によるコレクター心を掴む戦略、そしてタイアップ効果によって、AAAの知名度と人気をさらに高める一翼を担ったと言えるでしょう。音楽史におけるAAAの軌跡を語る上で、欠かすことのできない重要な
シングルであると言えるのではないでしょうか。