Nostalgia (徳永英明のアルバム)

德永英明の8枚目のスタジオ・アルバム『Nostalgia』は、1993年12月10日にリリースされました。前作『Revolution』から約2年2ヶ月ぶりのオリジナル・アルバムとなります。

アルバムタイトル曲である「Nostalgia」は、当初ヘビーな曲調という理由からアルバムには収録されず、ライブツアーでのみ披露されていました。後にシングル「永遠の果てに」のカップリングとして収録されています。

先行シングル「僕のそばに」のカップリング曲「星と月のピアスと君の夢」は、アルバムには未収録となっています。

初盤はバンダイ・ミュージックエンタテインメントから発売されましたが、同社の解散に伴い廃盤となり、現在は2003年に発売されたユニバーサル盤が流通しています。

収録曲について

アルバム収録曲は以下の通りです（特記以外は作詞・作曲：德永英明、編曲：国吉良一）。

1. 過ちの夏
ジャジーなアレンジが特徴的な楽曲。曲順を決める際、他の曲との雰囲気の違いから1曲目に配置されました。德永自身が女性目線で歌詞を書いた初の楽曲です。
2. Navigation
歌詞の一人称が珍しく「俺」である楽曲です。
3. Money
バブル経済やジュリアナ東京に対する皮肉を込めて制作された楽曲です。
4. 僕のそばに
18thシングル。自身の恥ずかしい部分をさらけ出し、新しいファンを獲得したいという思いで書かれた楽曲です。德永自身も、自分らしい詞・曲であると語っています。
5. 魂の願い
アルバムの核となる楽曲。「TRY AGAIN」という言葉がキーワードになっています。あるドキュメンタリー番組で女子大生が「生まれてきた時代を間違えた」と発言したことがきっかけで制作されました。完成後、そのメッセージは女子大生ではなく、自分自身に向けられたものだと気づいたと語っています。精神的・肉体的に疲弊していた時期に制作され、完成後には「このアルバムを作って良かった」と感じたそうです。テレビ朝日系「ミュージックステーション」でも披露されました。
6. また明日は来る
7. FRIENDS
編曲：佐藤準
17thシングル。歌詞に出てくる「FRIENDS」は、目に見える友達ではなく、自分の心の中のソウルに対する呼びかけであると語っています。映画「シンガポールスリング」の構想から生まれた楽曲で、イーグルスの「呪われた夜」にインスパイアされています。シングル版では曲の終わりがフェイドアウトですが、アルバム版ではカットアウトになっています。
8. 恋の花
編曲：德永英明
16thシングル「もう一度あの日のように」のカップリング曲。德永自身が初めて編曲を手掛けた楽曲です。リズムのアレンジが難しいと語っています。シングル・ヴァージョンは曲終わりがフェイドアウトですが、アルバム版ではカットアウトになっています。
9. Jealousy
作詞：山田ひろし
アルバムの中で唯一、德永自身が作詞していない楽曲。卑猥な歌詞になってしまったため、作詞を山田ひろしに依頼したとのことです。
10. もう一度あの日のように
編曲：瀬尾一三
* 16thシングル。ベスト・アルバム『INTRO.II』発表後、原点回帰して制作された楽曲です。德永にとっての「あの日」とは、小学校6年生の頃、福岡で玄界灘を見ていた時の記憶であり、人間の欲望という現実に直面した原体験が込められています。「輝き」がこの曲のキーワードであり、「輝くとは何か」を追求したいという思いが込められています。

『Nostalgia』は、德永英明の音楽的な探求心と、人間としての成長が感じられるアルバムです。彼の内面と向き合い、原点回帰をテーマにした本作は、多くのファンに愛されています。

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