Nothing To Lose

レベッカの転換期を告げる2ndアルバム『Nothing To Lose』

1984年11月21日、レベッカの2枚目のアルバム『Nothing To Lose』がリリースされました。キャッチコピーは「レベッカは今、すべてを賭けてロックする!LP第2弾炸裂!!失って惜しいものは何もない。ただ恐いのは何をするかわからない自分だけ…」と、勢いのある言葉で、バンドの強い意志が感じられます。

このアルバムは、わずか6曲という短い収録時間ながら、レベッカのロックバンドとしての真骨頂が凝縮された作品と言えるでしょう。当時、LPレコードの価格は平均よりも安く1500円に設定されていたことも話題を呼びました。楽曲の短い収録時間と価格設定は、バンドの勢いと挑戦的な姿勢を表しているのかもしれません。

収録曲は、NOKKOによる作詞、木暮武彦による作曲が中心ですが、シングル「ヴァージニティー」では、作詞を宮原芽映が、作曲を土橋安騎夫が担当しており、レベッカの音楽性の幅広さを示しています。この「ヴァージニティー」はアルバムと同日発売され、土橋安騎夫が作曲を担当した初のシングル曲となりました。この楽曲はアルバムの雰囲気とは少し異なる一面を見せており、多様な音楽性を聴くことができます。

アルバムには、他に「怒りの金曜日」、「Precious Star」、「結接蘭 破接蘭 (KE・SE・RUN PA・SE・RUN)」、「STEFANIE」、「Nothing To Lose」といった楽曲が収録されています。これらの楽曲は、レベッカ独特のサウンドとNOKKOの力強いボーカルが融合し、聴く者を圧倒する仕上がりになっています。特にタイトル曲「Nothing To Lose」は、バンドの覚悟と勢いを象徴するような楽曲であり、アルバム全体を貫くテーマとなっています。

参加ミュージシャンは、ボーカルのNOKKO、ギターの木暮武彦、ベースの高橋則幸、ドラムの小沼達也に加え、シンセサイザーの土橋安騎夫、ギターの平井康治、ベースの山田浩二、関政男らが参加しています。豪華なメンバーが揃っており、彼らの高い演奏技術がアルバムのクオリティを更に高めています。

そして重要なのは、この『Nothing To Lose』が、木暮武彦と小沼達也のレベッカ脱退前最後のアルバムだったという点です。このアルバムは、彼らにとっての集大成であり、同時にレベッカにとって大きな転換期を告げる作品となりました。メンバーチェンジという大きな変化を経験する中で、このアルバムがレベッカの今後の音楽性にどのような影響を与えたのか、興味深い点です。

『Nothing To Lose』は、6曲というコンパクトな収録時間、1500円という価格設定、そしてメンバーチェンジという大きな出来事と、様々な意味でレベッカの歴史において重要な位置を占めるアルバムと言えるでしょう。初期のレベッカを知る上でも、このアルバムは必聴の作品と言えます。

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