Nslookup

nslookupは、オペレーティングシステムに標準搭載されているネットワーク管理ツールの一つです。主に、DNS（Domain Name System）サーバーに対してクエリを送信し、ドメイン名に対応するIPアドレスを調べたり、DNSレコード情報を取得するために利用されます。コマンドラインインターフェースで動作し、ネットワークに関するトラブルシューティングや情報収集に役立ちます。

歴史

初期のBIND9開発において、Internet Systems Consortium (ISC) はnslookupではなく、hostやdigといったツールの利用を推奨していました。しかし、2004年にBIND 9.3がリリースされた際、ISCは方針を転換し、nslookupも完全にサポート対象となりました。この変更により、nslookupはDNS関連のタスクにおいてより信頼性の高いツールとしての地位を確立しました。

背景

"nslookup"という名前は、"name server lookup"（ネームサーバー検索）に由来します。このツールは、オペレーティングシステム固有のDNSリゾルバライブラリを使用せず、独自の方式でDNSサーバーに問い合わせを行います。そのため、digなどの他のDNSクエリツールとは異なる挙動を示す場合があります。また、ベンダーが提供するnslookupのバージョンによっては、hostsファイルやNISなどの他の名前情報源も参照することが可能です。nslookupの挙動は、resolv.confファイルの設定によって変更することができます。

使用法

nslookupには、対話モードと非対話モードの2つの使用モードがあります。

対話モード

nslookupを引数なしで実行するか、最初の引数に「-」（ハイフン）を指定し、2番目の引数にDNSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定して実行すると、対話モードで起動します。対話モードでは、nslookupのプロンプト（>）が表示され、ユーザーはドメイン名、IPアドレス、またはnslookupの設定コマンドを入力できます。引数なしで起動した場合は、デフォルトのDNSサーバーに問い合わせを行います。また、「-」の後にDNSサーバーを指定した場合は、指定したDNSサーバーに問い合わせが行われます。

非対話モード

最初の引数に「-」以外を指定して、検索対象のドメイン名やIPアドレス、またはコマンドラインオプションを指定して起動すると、非対話モードで実行されます。オプションでDNSサーバーを指定しない場合は、デフォルトのDNSサーバーに問い合わせを行います。

非対話モードは、スクリプトや自動化されたタスクでの利用に適しており、結果を直接コマンドラインに表示させることが可能です。対話モードは、ユーザーが直接クエリを試行錯誤しながら実行する際に便利です。

用途

nslookupの主な用途は、以下の通りです。

• - ドメイン名からIPアドレスを検索する（正引き）。
• - IPアドレスからドメイン名を検索する（逆引き）。
• - DNSサーバーの名前、IPアドレス、TTL（Time To Live）などの情報を確認する。
• - DNSレコード（Aレコード、MXレコード、CNAMEレコードなど）の内容を確認する。
• - 特定のDNSサーバーに対する問い合わせをテストする。

注意点

nslookupは、古いツールであり、より強力で多機能なdigなどのツールに置き換えられる傾向があります。しかし、多くのシステムに標準で搭載されているため、手軽に利用できるメリットがあります。また、nslookupはオペレーティングシステムの設定に依存するため、同じクエリでも異なる結果が得られる可能性があります。そのため、複数のツールを併用して結果を比較検討することが推奨されます。

関連項目

• - whois
• - dig (UNIX)
• - host

外部リンク

• - [Microsoft Windows]]

- [“Nslookup” (英語). Microsoft TechNet library.
- “Nslookup” (英語). Microsoft Knowledge Base.

• - [Unix系]]OS

- [nslookup(1) – Linux User Commands Manual (en)

• - その他

- DNS Web Tools - Curlie（英語） (includes web-version of nslookup)

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