OCC (企業)

株式会社OCC：海底ケーブルを繋ぐ、日本の電線メーカー

株式会社OCCは、神奈川県横浜市に本社を置く、電線製造を専門とする企業です。特に、海底ケーブルの製造において国内トップクラスの実力を持つメーカーとして知られています。その歴史は古く、日本の電線業界、ひいては通信インフラの発展に大きく貢献してきた企業と言えるでしょう。

設立と発展：太平洋を繋ぐ技術

OCCの前身は、1935年に設立された日本海底電線株式会社に遡ります。当初は海底ケーブルの製造に特化していましたが、1949年には陸上用絶縁電線の製造も開始し、事業領域を拡大しました。1960年には大洋海底電線株式会社を設立、太平洋横断ケーブルの開発に着手。そして1964年、両社が合併して日本大洋海底電線株式会社となり、翌年には第1太平洋横断海底同軸ケーブルの製造を完了させるなど、日本の通信インフラ整備に大きく貢献しました。

その後も技術革新を続け、1995年には北九州市若松区に海底システム事業所を新設。1999年には社名を株式会社OCCに変更、更なる発展を目指しました。2003年には株式会社ヤクシンとの合併を経て、企業規模を拡大しました。

産業再生機構の支援と住友グループ傘下へ

2004年には、産業再生機構の支援を受け経営再建を進めました。2006年には、投資会社ロングリーチグループ傘下となり、新たなステージへ。しかし、2008年にはNECと住友電工による共同買収が行われ、住友グループ主導の下、再出発することとなりました。この買収により、OCCは住友グループの一員となり、安定した経営基盤を確立しました。2012年には、親会社であったオーシーシー・ホールディングスを吸収合併し、企業構造の簡素化を図っています。

事業拠点と事業内容

現在、OCCは横浜市に本社を置き、北九州市（海底システム事業所）、栃木県（上三川事業所）などに工場を展開しています。また、大阪（西日本支店）、福岡（九州営業所）にも拠点を持ち、全国規模で事業を展開しています。主力製品である海底ケーブルに加え、陸上用電線も製造しており、多様な顧客ニーズに対応しています。

主要株主と関連企業

設立母体には、古河電工、住友電工、藤倉電線といった国内大手電線メーカーが名を連ねています。現在の主要株主はNECと住友電工であり、両社の強力な支援の下、OCCは事業拡大を続けています。住友グループとの深い繋がりを持つ企業として、グループ全体の戦略において重要な役割を担っていると言えるでしょう。

まとめ：未来へ向けた技術革新

株式会社OCCは、長年に渡り培ってきた海底ケーブル製造技術を基盤に、日本の通信インフラの発展に貢献してきました。そして、NECと住友電工という強力なパートナーシップの下、更なる成長を目指しています。今後も、技術革新を続けながら、海底ケーブルをはじめとする高品質な電線製品を提供することで、日本の通信社会を支える存在であり続けることでしょう。

補足: 沖縄県浦添市に本社を置く同名の企業とは全く関係ありません。

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