OKICA

OKICA（オキカ）とは

OKICA（オキカ）は、沖縄県内の鉄道・バス事業者で導入されている非接触型ICカード乗車券です。沖縄都市モノレール（ゆいレール）と、沖縄本島内の主要バス事業者4社（琉球バス交通、沖縄バス、那覇バス、東陽バス）、南城市コミュニティバス（Nバス）で利用できます。

概要

2014年 10月20日に沖縄都市モノレールで先行導入され、2015年 4月27日にバス4社で一斉に運用が開始されました。2021年10月20日からは南城市コミュニティバスでも利用可能となり、沖縄県内で初めて交通機関に使用できるICカードとして、県民の足として定着しています。「OKICA」という名称は、「OKINAWA IC CARD」の略であり、「沖縄が変わる」という意味も込められています。

システムの開発はモバイルクリエイトが担当し、発行・運営は沖縄都市モノレールやバス会社が出資する「沖縄ICカード株式会社」が行っています。ICカード読み取り機や自動改札機などの導入費用は、沖縄県からの補助金で賄われています。初年度の発行枚数は3万4千枚でしたが、2019年6月時点では総発行枚数が35万枚に達しています。

2018年 6月1日からは、定期券用に駅名や利用期限などを記載するスペースを設けるため、カードのデザインが変更されました。

他の交通系ICカードとの関係

OKICAは、日本鉄道サイバネティクス協議会が定めたICカード乗車券に関する共通規格（サイバネ規格）を採用していません。これは、導入・維持費用が割高になることや、各事業者が独自の乗車券を数多く設定していることに加え、沖縄県内の路線バス事業者が頻繁に路線の変更や新設を行うため、申請に時間のかかるサイバネ規格では対応が難しいという理由があります。

そのため、利用開始当初から、SuicaやPASMOなどの他の交通系ICカードとの相互利用はできませんでした。しかし、内閣府沖縄総合事務局が2017年の会議で、OKICAエリアでの交通系ICカード全国相互利用サービス（片利用）への対応を検討していることを報告しました。

その後、2020年 3月10日に沖縄都市モノレール（ゆいレール）が単独でSuicaを導入し、全国相互利用サービスに対応しました。ただし、ゆいレールでのSuica利用は、基本的に「発行済みのSuicaによるストアードフェア残高でのモノレール線利用」に限定されており、ゆいレールではSuicaの販売は行っていません。また、OKICA独自のサービス（OKICAポイントなど）は受けられず、以下の制限があります。

Suicaにゆいレールの定期券を搭載できない。
OKICAのチャージ残高をSuicaに移すことができない。
「おとなり割引」が適用されない。
ゆいレールの券売機での切符購入やチャージはできない。また、普通乗車券の不足額の精算にSuica残高を利用できない。
精算機がある駅でのチャージ精算は可能だが、ない駅では窓口対応となる。
オートチャージに対応しない（OKICAには機能自体がない）。
Suicaの払い戻しに対応しない。

沖縄ICカード株式会社

沖縄ICカード株式会社は、乗車用ICカード「OKICA」を運営する会社です。カードの取り扱いを主な業務とし、カードのポイント管理も行っています。フィギュア付きを除くOKICAは、他の多くの乗車用ICカードと同様に、売却や譲渡ではなく貸与の形式であるため、カードの所有権は沖縄ICカード株式会社にあります。

利用範囲

OKICAは、沖縄都市モノレール（ゆいレール）の全路線と、琉球バス交通、沖縄バス、那覇バス、東陽バス、南城市コミュニティバス（Nバス）の全バス路線で利用できます。

当初は、導入後2年を目途に船舶、タクシー、商業施設への利用拡大も検討されていましたが、その後、2021年8月16日から、一部の商業施設やタクシーでの利用が可能になりました。

種類

OKICAには、様々な種類があります。

無記名OKICA：個人情報を登録しないカードで、紛失した場合は再発行できません。
記名OKICA：個人情報を登録する記名式カードで、紛失した場合は再発行できます。
小児用OKICA：6歳以上小学生以下が対象の記名式カードで、満12歳になる年度の3月31日まで有効です。
障がい者用OKICA：障害者手帳所持者が対象の記名式カードで、年1回の更新が必要です。
学生用OKICA：中学生以上の学生が対象の記名式カードで、通常のOKICAよりも付与ポイントが高く、毎年度初めの更新が必要です。
フィギュア付きOKICA：沖縄観光親善使節でOKICA推進大使を兼ねるキャラクター「花笠マハエ」のフィギュアで、台座にICチップ入りのコイン型トークンが内蔵されています。2015年 4月27日に路線バスへの導入を記念して5000個限定で発売されました。フィギュア付きの交通系ICカードは全国初です。券売機での入金や乗車券購入はできません。
NバスOKICA：南城市のオリジナルデザインのOKICAで、南城市民のみが申し込み可能で、効用は記名OKICAに準じます。

ポイントサービス

OKICAの利用額に応じて、翌月6日にポイントが付与されます。ただし、OKICA以外での乗車（現金払い、回数券、定期券、ゆいレールの「おとなりきっぷ」）はポイント対象外です。

OKICAは、沖縄県民にとって欠かせない交通手段となっています。

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