東陽バス

東陽バス株式会社

東陽バス株式会社は、沖縄県南城市に本社を置くバス事業者です。沖縄本島において路線バスと観光バス事業を展開しており、琉球バス交通、那覇バス、沖縄バスと並ぶ主要なバス会社の一つとして地域住民の足として活躍しています。4社の中では最も規模は小さいものの、各路線の運行距離が比較的長い点が特徴です。

概要

東陽バスは主に沖縄本島の東南部地域を中心に路線バスを運行しています。高速バスを除くと、南は南城市知念志喜屋から北はうるま市泡瀬営業所までをカバーしており、浦添市、中城村、沖縄市などには独自の路線も展開しています。

2002年には民事再生法の適用を申請し事実上倒産しましたが、2012年に会社分割を実施し、新会社が事業を承継しました。旧会社は2014年に破産手続きが開始されています。

過去には、沖縄本島のバス事業4社による統合も検討されましたが、観光部門への融資問題などから実現には至りませんでした。その結果、各社が独立した形で事業を継続しています。

沿革

東陽バスの歴史は1951年、「協同バス」から分離して路線バス事業を開始したことに始まります。その後、労働争議や与那原テックの閉鎖、ゴルフ場事業への参入、消費税導入に伴う運賃改定、パークアンドバスライドの実証実験、ストライキ、民事再生法申請、路線廃止・新設、ICカード導入、コミュニティバス運行など、様々な出来事を経て現在に至ります。

主な出来事

1951年：路線バス事業を開始。
1960年：労働争議が発生。
1986年：与那原テック閉鎖。
1988年：東陽ゴルフクラブ開業。
2002年：民事再生法の適用を申請。
2012年：会社分割を実施。
2014年：旧会社が破産。
2024年：沖縄バスの完全子会社となる。

運賃改定

東陽バスでは、消費税導入や原油価格の高騰などに応じて、何度か運賃改定を実施しています。1989年には消費税導入に伴い、那覇市内区間150円、那覇市外区間初乗り110円となりました。その後、1990年、1991年、1993年、1998年、2008年にも運賃改定が行われました。

路線再編

東陽バスでは、社会情勢や利用者のニーズに合わせて、路線再編を適宜行ってきました。一部路線の廃止や経路変更、新路線の開設など、常に変化に対応しています。

近年の動向

近年では、ICカード「OKICA」の導入や、コミュニティバスの受託運行、南城市コミュニティバス「Nバス」の開設など、新たな取り組みも行っています。また、路線バス車両においては1993年以後は新車の導入を行っていなかったが、2017年から2020年にかけて久々に新車を導入していました。2024年には、沖縄バスの完全子会社となっています。

運行路線

現在運行中の路線

30番：泡瀬東線
31番：泡瀬西線
37番：那覇新開線
38番：志喜屋線
111番：高速バス
191番：城間（一日橋）線
331番：急行（泡瀬）線
338番：斎場御嶽線
391番：城間（サンエーパルコシティ）線
沖縄市循環バス（中部ルート・東部ルート）
中城村コミュニティバス「護佐丸バス」（伊集回り線、久場回り線、伊集普天間線、久場琉大線）

廃止された主な路線

37番：知念線
57番：美東線、那覇マリンタウン馬天線
58番：中城公園線、県総合運動公園線、馬天琉大泡瀬線
59番：新垣線、那覇マリンタウン線
60番：城間（大名）線、泡瀬循環線、泡瀬イオンモールライカム線
91番：城間（南風原）線
92番：東南植物楽園線
96番：浦添港川線、沖縄東中学校線
110番：深夜バス
138番：向陽高校線

車両

東陽バスの車両は、日野自動車製が中心ですが、いすゞ自動車製のエルガや、三菱ふそう製のエアロエース、ヒョンデ製のユニバースも導入しています。

一般路線車は、前扉のみのトップドア仕様が基本で、譲受車両は後ドアを埋めて改造していました。しかし、近年では、中扉の機能を残した中古車を導入しています。

また、沖縄本島のバス会社の中では最後まで730車が残っていました。現在では、1台が動態保存されており、特別な日に運行されています。

車内放送

2007年以降、音声合成放送が導入され、他社同様にレゾナント・システムズ製の機材を使用しています。以前は8トラテープ式のアナウンスを使用していましたが、2011年にすべての車両が音声合成化されました。また、2015年には運賃箱の更新に合わせて、音声合成装置も指月電機製作所製のものに取り換えられています。

運賃箱

2015年には、ICカード「OKICA」導入に向け、運賃箱が更新されました。東陽バスでは小田原機器製のRX-NZS型を採用しており、他社とは異なる機種を使用しています。

バスターミナル・事業拠点

現在の事業拠点

那覇バスターミナル・那覇営業所
泡瀬営業所
馬天営業所
観光部
整備工場
名護バスターミナル（共同使用）
南城市役所バスターミナル（共同使用）

閉鎖された事業拠点

古波蔵本社・観光部
与那原営業所
久手堅連絡所
壺川本社・観光部

その他

関係会社

沖縄バス（完全親会社）

無関係のバス会社

東洋バス（千葉県）
株式会社東陽（東京都）
株式会社トーヨーふれ愛バス（大阪府）

外部リンク

* 沖縄 東陽バス（公式サイト）

東陽バスは、沖縄の地域公共交通の一翼を担うバス会社として、これからも安全・安心な運行に努めています。

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