ON TELEVISION

稲垣潤一の7枚目のベストアルバム『ON TELEVISION Theme, TV CM, J. I. Best Selection』（1992年12月2日発売）は、その名の通り、テレビの世界と深く結びついた楽曲を集めた編集盤です。

背景

このアルバムは、先行シングルとして大ヒットを記録した『クリスマスキャロルの頃には』をはじめ、テレビドラマ、バラエティ番組の主題歌や挿入歌、そしてテレビCMで使用された楽曲のみを厳選して収録した、ユニークなコンセプトを持っています。稲垣潤一の楽曲が、いかに多くの人々の記憶に残るテレビのシーンを彩ってきたかを物語る作品と言えるでしょう。

ディスクジャケット

ジャケットデザインは2種類存在し、CD版とMD版で異なるジャケットが採用されています。これは、当時の音楽メディアの多様性を反映したものであり、ファンにとってはコレクションする楽しみの一つとなっていました。

収録曲について

収録されている楽曲は、いずれも一度は耳にしたことがあるような、親しみやすいメロディーが特徴です。

世界でたったひとりの君に（リミックスニューバージョン）: ケンタッキーフライドチキン東北地方CMソングとして、地域限定で親しまれました。
君に逢いたい午後: フジテレビの人気番組「なるほど!ザ・ワールド」のエンディングテーマとして、お茶の間に爽やかな風を届けました。
バチェラー・ガール: ヨコハマタイヤ「INTECH」のCMソング。大瀧詠一もセルフカバーした名曲です。
1969の片想い: JT「SomeTime Light」のCMソング。郷愁を誘うメロディーが印象的です。
メリークリスマスが言えない: 三貴「ブティックJOY」のCMソング。クリスマスシーズンを彩る定番曲です。
クリスマスキャロルの頃には: TBSテレビ系ドラマ「ホームワーク」の主題歌として、社会現象を巻き起こしました。稲垣潤一の代表曲として、今もなお多くの人に愛されています。
心からオネスティー: 明治ブリックのCMソング。稲垣潤一自身がCMに出演し、ドラムを演奏する姿が話題となりました。
April: SANYO「おしゃれなテレコU4CD」のCMソング。春の訪れを感じさせる、軽快なナンバーです。
1ダースの言い訳: SANYO「おしゃれなミニコンポWO5CD」のCMソング。都会的なサウンドが魅力です。
時を越えて: 日本生命のCMソング。感動的なメロディーが、多くの人の心に響きました。
トライアングル: 日本テレビ系ドラマ「キスの温度〜いちばん近い他人」の挿入歌。ドラマティックな展開を盛り上げました。
思い出のビーチクラブ: カナダドライ・ジンジャーエールのCMソング。夏の爽やかなイメージを喚起します。
* Congratulations: 第一生命のCMソング。祝福に満ちた、心温まるナンバーです。

これらの楽曲は、各収録作品で詳細な解説がなされています。

『ON TELEVISION Theme, TV CM, J. I. Best Selection』は、稲垣潤一の音楽活動の中でも、特にテレビとの関わりに焦点を当てた、ユニークな作品集です。テレビを通じて彼の音楽に触れた世代にとっては、懐かしい思い出が蘇るような、特別な一枚と言えるでしょう。

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