ONE LIFE,ONE DEATH

ONE LIFE, ONE DEATH

『ONE LIFE, ONE DEATH』（ワン・ライフ、ワン・デス）は、日本のロックバンドBUCK-TICKによる11枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムは、2000年9月20日にBMGファンハウスからリリースされました。前作『SEXY STREAM LINER』（1997年）から約3年の歳月を経て、バンドは新たな音楽の一歩を踏み出しました。本作は、彼らがマーキュリー・ミュージック・エンタテインメントからBMGファンハウスに移籍して最初のアルバムでもあります。

制作背景と音楽性

アルバム制作は2000年の3月から始まりましたが、その間にバンドが新しいレコード会社への移籍や自身の事務所設立に伴う多忙な日々に直面していました。ボーカリストの櫻井敦司は、当初曲作りのスタートが遅れたことを認めつつ、シングルリリースのみに縛られず、アルバムとしての一貫した方向性を追求したことが重要だったと語っています。

音楽的には、前作同様にデジタルサウンドの要素が含まれていますが、これまでのエレクトロニックなアプローチを超え、より歌とメロディに焦点を置いています。楽曲はエレクトロニックでありながらも、ポップな要素とノイジーでアヴァンギャルドなスタイルが特徴で、聴き応えのある仕上がりになっています。

アルバムの内容と楽曲

収録曲には、先行シングルの「GLAMOROUS」があり、本作の方向性を強く示すものです。また、「細胞具ドリー：ソラミミ：PHANTOM」では、クローン羊「ドリー」が象徴的に用いられ、今日の音楽シーンへの批評が込められています。アルバムタイトルもこの楽曲の歌詞からインスパイアを受けているという点も注目に値します。

各楽曲は、スタイルやテーマによって多様に変化しながらも、BUCK-TICKらしさを感じさせる一貫した美学が保たれています。

リリースとツアー

『ONE LIFE, ONE DEATH』は、初回限定盤に特典の写真集ブックレットが付属する形でリリースされ、ファンにとって記念すべき作品となりました。アルバム発表後、バンドは「PHANTOM TOUR」と名付けられたコンサートツアーを行い、全国各地でパフォーマンスを披露しました。また、収録曲を再現したライブ・アルバムも同年に発売されています。

批評とチャート成績

音楽情報サイト『CDジャーナル』や書籍『BUCK-TICK ~since 1985-2011~ 史上最強のROCK BAND』でも、本作は高く評価されています。特に「歌」に重きを置いたメロディアスな楽曲として、それまでの進化を強調し、BUCK-TICKの独自性を際立たせています。

アルバムはオリコンチャートで最高11位を獲得し、売上もまずまずの結果を収め、BUCK-TICKのアルバム売上ランキングでも14位にランクインしました。

総評

『ONE LIFE, ONE DEATH』は、BUCK-TICKがその音楽性の中での変化を示しながらも進化し続ける姿を体現した作品です。バンドの持つ多面的な魅力を感じることができるこのアルバムは、今後も多くのファンに愛され続けることでしょう。音楽シーンの中での存在感を明確に示したこの作品は、今後のBUCK-TICKの活動にも大いに影響を与える重要な一枚となることでしょう。

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