ONE LOVE (GLAYのアルバム)

アルバム『ONE LOVE』の概要

『ONE LOVE』は、日本のロックバンドGLAYが2001年11月28日にポニーキャニオンからリリースしたメジャー6作目のオリジナルアルバムです。ニューヨークで録音された本作品は、メンバーが「自分たちの音楽性を再確認したい」という思いを込めて制作されました。特にテーマを設けず、各メンバーの表現したいことが反映された楽曲が揃い、結果的に全18曲、合計73分という内容は、GLAYのオリジナルアルバムの中でも最多の収録数と時間を誇っています。

制作背景

アルバムにはTAKUROの他に、HISASHIとJIROも作詞・作曲に参加しており、特にHISASHIの楽曲が収録されたのは本作が初めてとなります。JIROはHISASHIの音楽的アプローチに驚きを表し、音楽評論家の田家秀樹も本アルバムの音のキャラクターを評価しています。HISASHIは、「シーケンサー音に頼らず、楽器の音で自分を表現したい」との意向をもとに、新たなギターアプローチにも挑戦しました。

また、アルバムタイトル『ONE LOVE』は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロに触発されたと言われています。この事件を受けて、HISASHIは「このアルバムが完成しないかもしれない」と悩んだことも明かしています。ジャケットには、航空科学博物館のYS-11のプロペラ機が登場します。

収録曲の紹介

アルバムのオープニング曲「ALL STANDARD IS YOU」は、TAKUROが思いを込めた作品で、静かに始まりつつも強いギターサウンドが印象的なロックバラードです。続く「WET DREAM」は、早口の歌詞が特徴で、アリーナツアー時に原型が披露されていた楽曲です。

「嫉妬 (KURID/PHANTOM mix)」は特別なアレンジが施され、ドラマ風のPVも制作されました。このアルバムには、HISASHIが作詞作曲した多様なスタイルの曲が揃っており、「Fighting Spirit」はCMソングとして使われ、その際に久保田早紀さんへのオマージュがあったとも言われています。

「ひとひらの自由」や「THINK ABOUT MY DAUGHTER」なども収録されており、特に後者は親の視点から描かれた歌詞が印象的です。さらに「GLOBAL COMMUNICATION」では、タイトルにも「ONE LOVE」が登場するなど、アルバム全体を通してテーマ性が見られます。

アルバムの影響と評価

リリース後、アルバムは高評価を受け、オリコン週間アルバムランキングでは9位を獲得しました。また、リリースからわずか10ヶ月後には兄弟作『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』が発表され、バンドサウンドに重きを置いた本作とは対照的に、更に情緒的な楽曲が集められました。

『ONE LOVE』はGLAYのキャリアの中で重要な位置を占めており、アルバムを通じて様々なメッセージが込められています。音楽の多様性とメンバーの個性が際立つこの作品は、GLAYのファンにとって忘れられない作品となっています。

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