OPS-11

OPS-11: 日本初の独自開発対空捜索レーダー

OPS-11は、三菱電機が製造した2次元レーダーであり、海上自衛隊の護衛艦に搭載されています。このレーダーは、第二次世界大戦後に日本が独自に開発した初の対空捜索用途の機器であり、その歴史的背景は非常に興味深いものです。

背景と開発の経緯

OPS-11の開発は、昭和時代に始まりました。当初はアメリカ合衆国からの供与を受ける予定であったAN/SPS-40|AN_SPS-40をモデルに計画が進められましたが、実際には供与が遅れ、日本側が独自に多くの部分を開発することとなりました。この過程で、パルス圧縮技術についても独自に研究を進める必要が生じ、結果として新たな技術が生まれる土壌が整いました。

海上自衛隊は以前から国産の対空捜索レーダーとしてOPS-1およびOPS-2を所有していましたが、これらはアメリカ製のAN/SPS-6|AN_SPS-6を模倣したものであり、真の国産機とは言えませんでした。OPS-11が導入されたことで、日本が自力で開発した本格的な対空捜索レーダーの時代が始まったのです。

アンテナの設計と特徴

OPS-11の当初の設計では、元となるAN/SPS-40|AN_SPS-40と同様のパラボラアンテナを使用する予定でした。しかし、予定されていた搭載艦であるやまぐも型護衛艦の設計においては、艦同士が並列に停泊する場合にアンテナの接触が懸念され、急遽そのデザインが変更されました。最終的に、八木式ダイポール・アレーを用いた格子状のアンテナが採用され、横幅が圧縮された形で28本のダイポールが配置されることとなったのです。

また、OPS-11には敵味方識別装置（IFF）のアンテナが上部に搭載され、標準的な使用周波数は極超短波（UHF; P(B)バンド）と考えられています。このレーダーは、基本モデルの他に11B、11Cのバリエーションがあり、11Bでは出力を増強するために増幅器が追加され、11Cではソリッドステート化と移動目標指示（MTI）技術の導入によりクラッター抑圧性能が向上しています。

OPS-14との関係

OPS-11は、その使用する波長がLバンドの新型OPS-14より長いため、遠達性に優れています。これにより、OPS-14が導入された後でも、ターター・システム搭載のミサイル護衛艦（DDG）においてOPS-11が引き続き採用され、3次元レーダーの補完役として機能しています。

搭載艦について

OPS-11は、さまざまな護衛艦に搭載されています。具体的には、やまぐも型（37～39、44～49DDK）、みねぐも型（40～42DDK）、たかつき型（38～41DDA）、はるな型（43/45DDH）、たちかぜ型（46/48/53DDG）、およびはたかぜ型（56/58DDG）など、計6つのクラスの護衛艦に搭載されています。これにより、海上自衛隊の防空体制の一翼を担う重要な役割を果たしています。

OPS-11は、その優れた性能と独自の開発経緯から、日本の現代航空戦における重要な装備となっています。今後もその技術が進化し続けることが期待されています。

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