OVER THE MONOCHROME RAINBOW featuring SHOGO HAMADA

『OVER THE MONOCHROME RAINBOW featuring SHOGO HAMADA』（オーバー・ザ・モノクローム・レインボウ・フィーチャリング・ショウゴ・ハマダ）は、2003年にソニー・ミュージックエンタテインメントから発売された、浜田省吾を題材とした異色のゲーム作品です。現在はソニー・ミュージックエンタテインメントがビジュアル・ソフトの販売から撤退したため、廃盤となっています。

概要

このゲームは、浜田省吾の楽曲と世界観をモチーフにしたアドベンチャーゲームで、音楽、アニメーション、そしてゲームという異なるメディアを融合させた点が特徴です。発案者は、浜田のツアー・メンバーであるキーボード奏者、福田裕彦。彼が脚本・音楽・総監督を務めています。

制作のきっかけは、福田が浜田のロングツアー「ON THE ROAD 2001」中にホームページで公開していた日記でした。それを読んだ浜田が書籍化を提案したものの、福田はあえてゲームという新たな表現方法を選択。浜田が主人公として登場し、歌声で世界を救うという、従来のイメージとは異なる斬新な世界観を構築しました。アニメーション部分では、浜田本人も声優として参加しています。

あらすじ

物語は、ごく普通のサラリーマンである主人公が、浜田省吾と共に異世界「アレット」に召喚されるところから始まります。アレットは「グラルエナジー」という瘴気に満ちた世界で、それを浄化できるのは浜田の歌声と、それに共鳴する人々の心の力だけ。主人公は浜田のコンサートをプロデュースしながら、歌声によって世界を救う旅に出ます。

キャスト

浜田省吾（声：浜田省吾）
異世界「アレット」の瘴気を浄化できる歌声を持つミュージシャン。
主人公（声：鈴村健一）
平凡なサラリーマン。浜田と共に異世界に召喚され、コンサートのプロデュースを任される。
アワキン（声：槐柳二）
アレットの科学者で、コンサート・ツアーの立案者。
ラデューグ（声：中田譲治）
言葉を話す「魔楽器」。浜田省吾の楽器となる。

その他、アダマ（声：小杉十郎太）、トリステス（声：川村万梨阿）、グラルエナジー（声：飯塚昭三）など、豪華声優陣が参加しています。

スタッフ

総監督・脚本・音楽：福田裕彦
アニメーション監督・キャラクターデザイン・総作画監督：黄瀬和哉
アニメーション制作：Production I.G
主題歌：「モノクロームの虹」／浜田省吾

エピソード

アニメーション制作は、『攻殻機動隊』などで知られるProduction I.Gが担当。黄瀬和哉をはじめとするProduction I.Gのスタッフが多数参加しています。また、浜田省吾本人が声優に初挑戦したことも話題となりました。共演した声優の鈴村健一は、浜田について「すごくいい人だった」「サングラスはしていなかった」と語っています。

総監督の福田裕彦は、ファンから続編を望む声があるものの、「お金がないから無理」とコメントしています。また、本作のサウンドトラック盤も発売しています。

ゲーム本編では、特定の章をクリアすると特典映像として浜田省吾の360°ライブを鑑賞できます。これは「ON THE ROAD 2001」のメンバーによる特別ライブで、「勝利への道」と「さよならゲーム」の2曲が収録されています。

2013年には、浜田省吾と本ゲームのファンである高坂雄貴の申し入れにより、福田公認のもと舞台演劇版として公開されました。

『OVER THE MONOCHROME RAINBOW featuring SHOGO HAMADA』は、浜田省吾の音楽と世界観をゲームという形で表現した、異色の作品として記憶されています。

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