Osaka Metro今里筋線

今里筋線について

今里筋線（いまざとすじせん）は、大阪府大阪市を走る大阪市高速電気軌道の路線で、井高野駅から今里駅を結んでいます。正式名称は高速電気軌道第8号線で、鉄道要覧には8号線（今里筋線）と記載されています。路線記号は「I（アイ）」で、2006年12月24日に開業しました。

ラインカラーと特徴

この路線は暖かいイメージの柑子色（ゴールデンオレンジ）がラインカラーとして使用されています。同路線は長堀鶴見緑地線と同様に標準軌を採用していますが、従来の車両より断面積が約20%小さく設計されており、リニアモーターミニ地下鉄となっています。また、ワンマン運転が実施されており、運転効率の向上にも寄与しています。

路線の概要

今里筋線は国道479号、国道163号、国道1号の地下を走り、大阪市東部を南北に貫いています。この路線は大阪環状線の内側を通らない初の地下鉄路線であり、御堂筋線との直接乗換駅は存在しません。また、四つ橋線や堺筋線とも接続しておらず、沿線の多くが住宅地となっています。

駅と設備

今里筋線には11駅があり、各駅のホームは共通化されているため、デザインが類似しています。開業当初、可動式ホーム柵が設置され、ホームと車両の隙間が小さくなる工夫がされています。各駅にはオストメイト対応トイレも設置され、急患搬送用の大型エレベーターも設けられています。また、駅構内には地下駐輪場が併設されています。

今里筋線の駅では現時刻や列車接近を表示するモニターが備えられており、便利な情報提供が行われています。

運行形態と利用状況

ほとんどの列車は井高野駅から今里駅間を通しで運行しています。朝夕には井高野駅-清水駅間の区間列車も設定され、運行本数がラッシュ時には多く、日中でも定期的に運行されています。ただし、2017年度の一日平均輸送人数は68,000人と開業以来最も少なく、長堀鶴見緑地線と比べても低い数字となっています。

歴史

今里筋には1957年からトロリーバスが運行されており、都市間交通の重要な役割を果たしていましたが、1969年に廃止されました。その後、大阪市が地下鉄の建設を計画し、1989年に運輸政策審議会が路線整備を提案しました。1996年に起点が井高野に変更され、2000年に工事が開始され、2006年に開業を果たしました。

建設の課題

建設は非常に難航しました。地下10 m以上でのトンネル施工や、地下水分が多い軟弱な地盤に直面し、急勾配が多くなる特徴も持っています。年々増加する都市交通需要に応えつつ、クオリティの高い公共交通機関としての基盤を築く道のりがありました。

将来的な展望

今里筋線の延伸計画もありますが、財政問題から具体的な進展は見られていません。しかし、利用状況のさらなる向上が見込まれる場合、将来的には延伸が実現する可能性もあります。現在も大阪市内交通の改善策が検討され続けています。

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