P-40 (航空機)

P-40の概要

P-40（Curtiss P-40）は、アメリカのカーチス・ライト社が開発し、アメリカ陸軍航空軍で活躍した戦闘機です。この機体は性能的には特段の優れた点はありませんでしたが、その実用性の高さと安定した量産体制により、特に第二次世界大戦の初期において重要な役割を果たしました。多くの国で運用され、特に連合国側はドイツや日本軍との戦闘においてP-40を優先的に投入しました。

愛称と初飛行

P-40にはいくつかの愛称があり、イギリス空軍で使用された型の影響を受けたものが多いです。アメリカでは、A型からC型まで「トマホーク」、D型とE型は「キティホーク」、F型以降は「ウォーホーク」と呼ばれました。イギリスではF型以降も「キティホーク」が使用されました。

1938年に、P-36を元にした改造型であるXP-40が初飛行しました。この機体は、P-36Aより約50km/hも速い最高速度を実現し、その後直ちに量産に入ることとなり、アメリカ陸軍航空隊の主力戦闘機に選ばれました。量産型P-40は更に改良され、最大時速575km/h（高度4,600m）に達し、機首に12.7mm機銃を2挺、主翼に7.62mm機銃を追加するなど、武装の強化がなされました。

運用歴と生産

P-40は、最初にフランス空軍向けに注文されましたが、フランスが降伏したため、イギリス空軍に引き渡されました。その後も、トマホークとして知られる数百機がイギリスに供給されます。1940年から始まった武装強化型や増槽の取り付けなどにより、P-40のバリエーションは多岐にわたりました。また、P-40は様々な国の軍に供与され、中国においては「フライング・タイガース」としても知られるアメリカの義勇兵パイロットにより使用されました。

日本との戦闘では、フィリピンやソロモン諸島、ニューギニア等でアメリカ軍が壮絶な空中戦を繰り広げましたが、P-40は当初の性能不足から位置に困難を極めました。特に日本の零戦との戦闘では、旋回性能などで劣り、初期の戦闘においては厳しい状況が続きました。

その後、改良型のP-40Fが登場し、マーリンエンジンの搭載により高パフォーマンスを発揮しましたが、P-51マスタングに比べると依然として劣る部分もありました。最終的に、様々な改良を経て、1944年には13,738機が生産されました。

業績と影響

P-40は、その特異なデザインや、北アフリカ戦線での活躍から「シャークティース」と称されるペイントの文化を生み出しました。このペイントは他の戦闘機にまで波及し、ベトナム戦争ではF-4ファントムIIに記載されるようになります。

また、戦後もP-40は多くの国で保存され、現在では飛行可能な状態の機体も多く存在します。映画やゲームなど、さまざまなメディアにも取り上げられ、航空機史における重要な存在としての地位が確立されています。

まとめ

P-40はその整備性や耐久性から多くの国で使用されました。第二次世界大戦の重要な局面で活動した戦闘機の一つであり、その後も愛され続け、歴史的な価値を持つ存在だと言えます。

もう一度検索