PACIFIC (CKBのアルバム)

クレイジーケンバンドによる18枚目のオリジナルアルバム『PACIFIC』は、2019年8月7日にリリースされました。本作は「港町」をメインテーマに掲げ、そのコンセプトが色濃く反映された楽曲群で構成されています。クレイジーケンバンドならではの、時にメロウに、時にグルーヴィーに展開されるサウンドは、聴く者を様々な港町の情景へと誘います。

アルバムの中核となるDisc.1（CD）には、全18曲のスタジオ録音作品が収められています。これらの楽曲はすべて、クレイジーケンバンドの横山剣が作詞・作曲を手がけ、一部を除き自身が編曲を担当しています。収録曲の中には、NHK「ラジオ深夜便」で2019年6月から7月にかけて「深夜便のうた」としてオンエアされた「Tampopo」や、2019年9月公開の映画「影に抱かれて眠れ」の主題歌として使用された「場末の天使」、さらに読売テレビ・日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」のエンディングテーマに採用され、神奈川県鎌倉市を舞台にした楽曲として話題となった「さざえ」など、数々のメディアで起用されたタイアップ楽曲が含まれており、その注目度の高さがうかがえます。

このアルバムは、ファンの多様なニーズに応えるため、3つの異なるパッケージ形態で発売されました。まず、CDとDVDがセットになった初回限定盤、そしてCDのみの通常盤です。さらに、クレイジーケンバンドの公式ファンクラブであるCKB友の会会員限定で、超豪華なBOX仕様の限定盤が用意されました。

CKB友の会限定盤は、その名の通りファンにとって非常に魅力的な内容となっています。初回限定盤に含まれるDisc.1（CD）、DVD、そしてバンパーステッカーをすべて同梱しているのはもちろんのこと、この限定盤でしか手に入らない貴重なコンテンツが追加されています。特に注目すべきは、2枚のライブ音源CDです。

Disc.2には、「門外不出！CRAZY KEN BAND 激レア実況録音盤 Heat1」として、2001年11月22日に東京・新宿LIQUIDROOMで開催されたライブ「貴方と夜と音楽と」の音源が収録されています。バンドの長い歴史の中でも初期にあたるこの時期の、熱気あふれるパフォーマンスを臨場感たっぷりに楽しむことができます。一方、Disc.3には「門外不出！CRAZY KEN BAND 激レア実況録音盤 Heat2」として、バンド結成20周年を記念して2017年11月25日に東京・中野サンプラザで行われたライブ「20TH ATTACK! CKB［攻］」の音源が収められています。キャリアを重ねて円熟味を増した時期の、スケール感のあるステージの模様を追体験できる貴重な記録となっています。

ライブ音源CDに加え、友の会限定盤には特別な特典も付属しました。ミナトヨコハマの魅力をクレイジーケンバンドならではの視点で紹介するガイドブック「CKB’s BAYSIDE WALKER」と、初回限定盤にも共通で封入されたバンパーステッカーです。

アルバムのリリースプロモーションとして、クレイジーケンバンドの恒例となっている「実演販売」が2019年も実施されました。メインボーカルの横山剣と、ボーカル・コーラスのスモーキー・テツニの二人が全国各地のショッピングセンターなどを訪れ、直接ファンと触れ合いながらアルバムを販売するこの企画は、発売週を中心に以下の4ヶ所で行われ、多くのファンが会場に駆けつけました。

トレッサ横浜 北棟2F リヨン広場
エアポートウォーク名古屋 3F イベントステージ
阪急西宮ガーデンズ 本館4F スカイガーデン 木の葉ステージ
イオンレイクタウンmori 1F 木の広場

初回限定盤および友の会限定盤に共通で付属するDVDには、Disc.1収録曲である「Tampopo」のミュージックビデオがフルで収録されています。さらに、アルバム『PACIFIC』がどのように制作されていったのか、その舞台裏に迫る貴重なメイキング映像も収められており、作品への理解を深めることができます。

『PACIFIC』は、単なるスタジオアルバムにとどまらず、港町というテーマを通してクレイジーケンバンドの音楽世界を多角的に掘り下げた作品です。豊富な収録曲、豪華な限定盤の内容、そしてファンとの交流を深める実演販売など、リリース全体がバンドの活動スタイルを体現しており、その魅力が凝縮された一枚と言えるでしょう。

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