PADI

PADI（Professional Association of Diving Instructors）

PADI（パディ、Professional Association of Diving Instructors）は、世界で最も知られるスクーバダイビングの指導団体の一つです。1966年にジョン・クローニンとラルフ・エリクソンによって創設され、ダイビング教育の分野で革新的なアプローチを取り入れてきました。

沿革

PADIは、元々NAUI（全米水難救助協会）のインストラクターであったジョン・クローニンが、ラルフ・エリクソンと共に設立しました。従来の単一総合コースではなく、複数のコースに分割することで、より段階的かつ専門的なダイビング訓練を提供することを目指しました。

1966年：ジョン・クローニンとラルフ・エリクソンにより設立
1987年：PADIのコースがACE（アメリカ教育審議会）で大学の単位として認められる
2011年：全世界のPADIダイバー認定が2000万人を突破
2012年：Lincolnshire ManagementとProvidence Equity PartnersがPADIを共同で買収
2015年：Providence Equity PartnersがPADI株式の過半数を取得
2017年：Providence Equity Partners LLCがPADIをAltas PartnersとFloracに売却

会員と認定

2019年の時点で、PADIは13.7万人以上のプロフェッショナルメンバーと6600のダイブセンターを有し、全世界で2700万枚以上の認定証を発行しています。PADIは世界186の国と地域で運営されており、ダイビング業界において圧倒的な存在感を示しています。

会員は男性が多いものの、近年では女性の認定証取得者も増加しており、2016年には全体の37.2%を占めるまでに成長しました。PADIは、女性ダイバーの認知度を高めるため、世界中で女性のダイビングデーイベントを開催するなど、積極的に取り組んでいます。

訓練体系

PADIのコースは、実践的な知識、安全性、運動技能に重点を置いたダイバー訓練プログラムです。入門段階では、潜水物理学と生理学の基礎を学び、コースが進むにつれて、より高度な知識とスキルを習得していきます。

理論学習は、書籍やeラーニングなどの自己学習教材を用いて行われ、ビデオ教材によって補完されます。実技訓練は、プールなどの限定水域と、海洋などの自然水域で行われ、インストラクターによる評価を通じて、着実にステップアップしていきます。

国際的評価

PADIのコースは、世界各国の様々な機関や組織から評価され、推奨されています。アメリカ教育審議会（ACE）による大学単位の認定や、ボーイスカウトアメリカ連盟（BSA）との協力関係などがその一例です。また、PADIは米国レクリエーショナルスクーバ訓練評議会（RSTC）の会員でもあります。

その他、カナダのスカウトカナダのスクーバプログラム主催、世界水中連盟などとの認証同等性の確立、オーストラリアでの登録訓練機関（RTO）としての認定など、国際的に広く認知されています。

プロジェクトAWARE

PADIは、水中環境の保護活動を支援するプロジェクトAWAREを1989年に設立しました。このプロジェクトは、ダイバー、プロフェッショナル、ダイビングセンターとの連携を通じて、環境保護活動を推進しています。ダイバーは、認定申請時にプロジェクトAWAREへ寄付することで、通常の認定カードをAWARE認定カードと交換することができます。

批判

過去には、PADIの訓練内容が不十分であるとして批判を受けたこともあります。しかし、PADIの標準トレーニングは、世界レクリエーショナルスクーバ訓練協議会（WRSTC）の基準に合致しており、国際的な基準を満たしているとされています。

関連項目

スクーバダイビング
テクニカルダイビング
* フリーダイビング

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