PANICSMILE

PANICSMILE

PANICSMILE（パニックスマイル）は、日本の音楽シーンにおいて独自の存在感を放つパンクバンドです。その歴史は1992年、九州・福岡の地で始まりました。結成当初から、彼らは既存のフレームにとらわれない音楽性を追求し、次第にその名を広めていきます。

結成から数年を経た1998年には、彼らは活動の主軸を首都・東京へと移し、さらなる展開を図ります。この拠点の移動は、バンドにとって新たな環境での創作活動や、より多くのリスナーとの出会いに繋がる重要な節目となりました。

彼らが福岡で活動していた時期には、アメリカのオルタナティヴ・ロックシーンを代表するバンドであるダイナソーJr.やピクシーズといったバンドから強い影響を受けていたことが知られています。これらのバンドが持つ、ラウドでありながらもメロディを失わないサウンド、あるいは実験的なアプローチは、PANICSMILEの初期衝動や音楽性の基盤形成に少なからず影響を与えたと考えられます。また、同じく福岡を拠点に活動していた、あるいは深い繋がりを持つバンドとの交流も活発でした。特に、後の日本のロックシーンに大きな影響を与えることとなるナンバーガールや、独創的なサウンドで知られるモーサム・トーンベンダーといったバンドとは、ライヴなどを通じてステージを共にする機会もあり、当時の福岡の音楽シーンの一端を担っていたことが伺えます。

彼らのディスコグラフィーは多岐にわたり、その時々の音楽的探求の成果が収められています。特筆すべき作品の一つに、2004年にリリースされたアルバム『Miniature』があります。この作品は、そのタイトルが示すように、収録時間が30分に満たないコンパクトな構成でありながら、彼らの音楽性が凝縮された、密度の高い一枚として知られています。また、2014年には、外部からの新たな視点を取り入れた作品として、日本の音楽プロデューサー・ギタリストであるAxSxE氏（NATSUMENなどでの活動で知られる）がプロデュースを手がけたアルバム『Informed Consent』を発表。これにより、彼らのサウンドに新たな側面が加わり、更なる進化を見せました。彼らは精力的に作品をリリースし続け、その独自のスタイルを確立していきました。

以下に、彼らがこれまでに発表してきた主な作品（スタジオ・アルバム、ライヴ・アルバム）を示します。これらの作品群は、1990年代後半から現在に至るまでの彼らの音楽的な軌跡をたどる上で重要な手掛かりとなります。

スタジオ・アルバム

• - E.F.Y.L.（1998年）
• - We Cannot Tell You Truth, Again.（1999年）
• - 10 Songs, 10 Cities（2001年）
• - Grasshoppers Sun（2002年）
• - Miniature（2004年）
• - Best Education（2007年）
• - A Girl Supernova（2009年）
• - Informed Consent（2014年）

ライヴ・アルバム

• - Eats Tokyo Alive!（2008年）

PANICSMILEは、結成から長い年月を経てもなお、その探求心を失わず、独自の音楽世界を広げ続けています。パンクというジャンルを基盤としながらも、多様な要素を取り入れることで、常に新鮮なサウンドをリスナーに提示し続けているバンドと言えるでしょう。

もう一度検索