PC Angel neo

『PC Angel neo』の歴史と内容

概要

『PC Angel neo』（ピーシーエンジェル・ネオ）は、1992年10月から2012年3月までの約20年間、アダルトゲーム専門の月刊誌として発行されていました。最初はオデッセウス出版から創刊され、その後GMSパブリッシングとケーズパブリッシングに移行しました。通称「P天」と呼ばれ、多くの読者に親しまれていました。

当初は隔月刊で発行されていましたが、1993年7月号からは月刊化し、アダルトゲームの攻略や新作情報を専門的に扱いました。編集部は当初は独立しておらず、一般ゲーム誌のスタッフが携わっていましたが、その内容は他誌と一線を画し、早い段階からアダルトゲームに特化していました。特に、表紙原画に堀部秀郎を据えたことは、本誌の認知度を高め、独自性を確立する要素となりました。2007年には誌名を『PC Angel neo』に変更し、内容や方針に変化はありませんでした。

派生誌として『PC Angel neo インディーズ』も発行され、アダルトゲームに特化したインディーズ系作品や制作サークルを紹介するなど、特集の多様性も見られました。

内容

本誌では、カラーページを活かして新作ゲームの紹介や、ライターによる攻略記事を掲載していました。また、巻末にはアダルトゲーム以外にもアダルトアニメ、漫画、小説、さらには一般向けのアニメ作品やイベント情報も取り入れ、読者の興味を引く内容が盛りだくさんでした。

一方で、モノクロページではアダルトゲームや同人作品に関する情報、コラムがあり、特に読者コーナー「極楽エンジェル」が人気を博していました。このコーナーでは、読者の投稿やコメント、4コマ漫画が掲載されており、ライターや編集者のキャラクターが色強く反映されていました。読者の方からは直接の質問も多く寄せられ、コミュニケーションの場としても機能していました。

逸話

「P天」という呼称は、創刊からわずか3号目に該当する1993年3月号の読者投稿から生まれました。この雑誌の表紙原画は1993年9月号から堀部秀郎が担当しましたが、彼の体調不良により2006年5月号でその役を降板しました。堀部の退任後、彼に代わるアーティストを選ぶことが難航し、特集作品ごとに異なるキャラクターを表紙にする形式へと変更されました。

本誌の人気を支える要因として、攻略記事を中心とした増刊「攻略王」シリーズも存在します。過去には同人作品を扱った「同人王」シリーズも発行されていましたが、2002年以降は休刊状態です。1998年には読者参加型ゲーム専門誌『The Vot's』の増刊号を発行しましたが、こちらは2号で終了しました。

一方で、1990年代には特集記事として倉田英之が執筆していた時期がありました。倉田の執筆スタイルはアダルトゲームとは無関係の話題を多く含み、読者からの賛否が分かれるものでした。最末期には彼の日常を描いた日記形式の特集まで組まれ、独特な展開を見せていました。

全体として、『PC Angel neo』はアダルトゲーム専門誌として確固たる地位を築きながら、多様なコンテンツやスタイルを展開し続けた雑誌であり、アダルトゲームファンの心を掴み続けました。

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