PC-DIY

PC-DIY（ピーシーディーアイワイ）とは

PC-DIYは、かつてキルタイムコミュニケーションから発行されていた、自作パソコンユーザー向けの雑誌です。1997年11月に季刊誌として創刊され、その後は隔月刊、月刊と変遷を繰り返しましたが、2004年3月29日発売の5月号をもって休刊となりました。

創刊の背景

1990年代、パソコンを安価に入手する手段として、自作パソコンという文化が広まりつつありました。PC-DIYは、そうした時代背景の中、よりマニアックでコアな自作PCファンに向けた雑誌として誕生しました。

マイクロマガジン社（グループ会社）が発行していた「パソコン批評」が広告を掲載しない方針だったため、台湾系のPCパーツメーカーなどの広告出稿を狙った側面もありましたが、誌面構成や発行部数の問題から、その目的は達成されませんでした。

雑誌名は、台湾のパソコン雑誌「PCDIY!電腦硬派月刊」を参考にしたとされています。

誌面の特徴

創刊当初はテクノロジーに特化したマニアックな内容でしたが、技術スタッフの退社や編集スタッフの入れ替わりを経て、誌面は次第にエンターテイメント性を重視する方向にシフトしていきました。「ハイエンド系お笑い自作雑誌」というキャッチフレーズが、その変化を象徴しています。

特に人気を集めたのは、予算内でPCを自作する企画「ビストロDIY」でした。当時としては考えられないほどの低予算で、ジャンクパーツや中古パーツを駆使した自作PCや、ダンボール、ファミコン、CDラジカセ、果ては干物や等身大フィギュアを筐体にしたPCなど、実用性よりも面白さを追求した破天荒なPCが数多く登場しました。

また、パソコン雑誌としては珍しく、漫画の連載も行っていました。瑠沢るかによる「パソコントラブルまんが」（通称：パソトラ）は特に人気を集め、単行本化もされました。

休刊へ

人気連載「パソトラ」の休載や、誌面のマンネリ化により発行部数は低迷。グループ雑誌「パソコン批評」のように辛口なパーツ評価を取り入れるなどの試みも行われましたが、状況は改善されませんでした。部数減少に加えて編集部内の不祥事も発生し、最終的に休刊という決断に至りました。

休刊の原因として、特定のメーカーへの辛口批評が影響したという説がありますが、これは事実ではありません。メーカーからの圧力はあったものの、休刊とは無関係でした。

主な連載

ビストロDIY
パソコントラブルまんが（るかぽん）
でこのパソコンはじめて物語（でこくーる）

姉妹誌

パソコン批評
ユーゲー（ユーズド・ゲームズ）

関連項目

マイクロマガジン社
* パソコン雑誌

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