自作パソコンとは
自作パソコン(
自作PC)とは、ユーザー自身がパソコンの各部品を個別に購入し、組み立てて作るパソコンのことです。メーカー製のパソコンとは異なり、自分の好みに合わせて自由にスペックを決められるため、特定の用途に特化した高性能なパソコンや、デザインにこだわった個性的なパソコンを作ることができます。
自作パソコンの魅力
自作パソコンの最大の魅力は、その自由度の高さです。パーツを一つ一つ自分で選ぶことができるため、予算や目的に合わせて最適な構成にすることが可能です。また、自分で組み立てることでパソコンの構造や仕組みを深く理解することができ、トラブルが発生した場合も自分で対処できるようになるというメリットもあります。
さらに、
自作パソコンはアップグレードが容易です。性能が不足してきたと感じた場合、
CPUやグラフィックボード、メモリなどを交換することで、常に最新の環境を維持することができます。
自作パソコンの注意点
自作パソコンには、メリットだけでなくデメリットも存在します。まず、メーカー製のパソコンとは異なり、動作
保証がありません。自分で組み立てる際にミスがあったり、パーツ同士の
相性が悪かったりすると、正常に動作しない場合があります。
また、トラブルが発生した場合、自分で原因を特定して解決する必要があります。メーカーのサポートを受けることはできないため、ある程度の知識や経験が必要となります。
自作パソコンの構成要素
自作パソコンを構成する主な要素は以下の通りです。
ケース:パソコンのすべての部品を収納する筐体です。デザインやサイズ、拡張性が重要です。
マザーボード:
CPUやメモリ、
拡張カードなどを接続するための基盤です。
CPUのソケットや
チップセットによって、使用できるパーツが決まります。
CPU:パソコンの頭脳となる部品です。処理速度やコア数などが性能を左右します。
メモリ:データを一時的に保存する部品です。容量が大きいほど、多くのデータを同時に処理できます。
グラフィックボード:映像を処理する部品です。ゲームや動画編集など、高いグラフィック性能が求められる用途には必須です。
ストレージ:データを長期的に保存する部品です。HDDやSSDがあります。SSDの方が高速ですが、
価格は高めです。
電源ユニット:各部品に電力を供給する装置です。全体の消費電力に合わせて適切な容量のものを選ぶ必要があります。
これらの部品を組み合わせることで、自分だけのオリジナルパソコンを作ることができます。
自作パソコンの歴史
自作パソコンの歴史は、1970年代後半に始まりました。当時、個人でパソコンを所有するには、自分で部品を集めて組み立てるしか方法がありませんでした。その後、IBM PCの登場により、互換機メーカーやパーツが普及し、自作パソコンはより手軽なものになっていきました。
1990年代には、DOS/V|DOS_Vの登場により、日本でもPC/AT互換機|PC_AT互換機における自作市場が拡大しました。しかし、当時はまだ部品の標準化が進んでおらず、自作は容易ではありませんでした。
1990年代後半になると、プラグアンドプレイの普及や部品の低価格化により、自作のハードルは大きく下がりました。インターネットの普及に伴い、自作に関する情報も容易に入手できるようになったため、多くの人が自作パソコンを楽しむようになりました。
2000年代に入ると、自作パソコンの市場は成熟期を迎え、大手メーカーの低価格パソコンやBTO(Build to Order)パソコンの登場により、自作パソコンの価格優位性は薄れてきました。しかし、自作パソコンは依然として、自由なカスタマイズ性やアップグレードの容易さなど、独自の魅力を持っているため、根強い人気を保っています。
自作パソコンの流通史
自作パソコンの流通は、秋葉原などの電気街を中心に発展してきました。1990年代には、多くのパーツショップが立ち並び、自作パソコンブームを支えました。
しかし、2000年代に入ると、家電量販店やインターネット通販の台頭により、電気街のパーツショップは苦戦を強いられるようになりました。現在では、自作パーツを取り扱う店舗は減少し、インターネット通販やBTOパソコンが主流となっています。
秋葉原の主な自作パーツショップ(2023年現在)
ツクモ(
九十九電機)
ソフマップ(ビックカメラグループ)
BUY MORE(
ユニットコム)
ドスパラ(サードウェーブ)
テクノハウス東映、パソコンハウス東映(東映無線)
パソコンショップアーク
かつて存在した主な販売店
A-Master
フリップフラップ
トライサル、ザ・グレイスフル、
マハーポーシャ、PC BANK、Y2PC。(オウム真理教の関連会社)
ピーシーアドバンスド
WAVE EYE
OVERTOP
ぷらっとホーム(WEB通販に移行)
PC-Success
Oneness
LAOX THE COMPUTER館(跡地はAKIBAカルチャーズZONE)
高速電脳
BLESS秋葉原本店
USER'S SIDE(ゲーム専門のWEB通販に移行したが後に倒産)
カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店
クレバリー
PCパーツショップ カスタム
オーバー[[クロック]]ワークス(Web通販に移行)
まとめ
自作パソコンは、自分の理想とするパソコンを自分で作り上げるという、他のパソコンにはない魅力を持っています。パーツ選びから組み立てまで、すべて自分で行うため、パソコンに対する知識やスキルも向上します。
自作パソコンには、リスクや手間も伴いますが、それに見合うだけの楽しさや満足感を得ることができます。この記事を参考に、あなたも
自作パソコンの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。