PC-FXバックアップメモリパック:PC-FXゲームのセーブデータを守る拡張メモリユニット
NECホームエレクトロニクスが発売した
PC-FXバックアップメモリパックは、
PC-FX用ゲームのセーブデータを保存するための周辺機器です。
PC-FX本体には内蔵メモリがありますが、容量が限られており、多くのゲームをプレイしているとすぐに一杯になってしまうという問題がありました。このメモリパックは、その容量不足を解消するために開発されました。
PC-FXのセーブデータ保存と容量問題
PC-FXでは、ゲームのセーブデータは本体に内蔵されたバックアップメモリに「バインダー」という単位で保存されます。しかし、このバインダーのサイズはゲームによって異なり、内蔵メモリの容量は決して大きくありません。そのため、複数のゲームをプレイしていると、すぐにセーブデータの保存領域が不足してしまうという問題がありました。特に、セーブデータ容量の大きいゲームを複数プレイしている場合、内蔵メモリだけでは不十分なことがしばしばありました。
メモリパックの機能と利点
PC-FXバックアップメモリパックは、まさにこの問題を解決するために開発された拡張ユニットです。このメモリパックを使用することで、
PC-FX本体の内蔵バックアップメモリの容量を大幅に拡張できます。具体的には、内蔵メモリの約4倍もの容量を確保することが可能です。
PC-FX本体の正面にある拡張スロットに差し込むだけで使用でき、特別な設定は必要ありません。
PCエンジンシリーズの拡張RAMである「天の声バンク」「メモリーベース128」「セーブくん」と同様の位置づけにあると言えるでしょう。これにより、多くのゲームを安心してプレイし、セーブデータの容量を気にせずに済むようになります。
問題点:電池交換の必要性
PC-FXバックアップメモリパックは、
セガサターンのパワーメモリやプレイステーションの
メモリーカードとは異なり、単4乾電池2本を使用する点が大きな特徴です。このため、定期的に電池を交換する必要があります。説明書には、電池交換は10分以内に行うようにと記載されており、抜き差しする際は必ず電源を切るように注意書きがされています。ただし、本体のバックアップメモリと同様に、セーブデータは長期間保持される傾向があり、1年以上電池交換をしなくてもデータが残っていたという報告もあります。
後継互換機の登場
電池交換の手間を解消するため、有志によって乾電池不要の互換品が開発されています。これにより、より利便性の高いセーブデータ保存が可能になりました。
まとめ
PC-FXバックアップメモリパックは、
PC-FXユーザーにとって貴重な周辺機器でした。内蔵メモリの容量不足という問題点を解決し、より多くのゲームをプレイできるように貢献しました。電池交換という課題はありましたが、後継互換機の登場により、その問題は解消されつつあります。
PC-FXで多くのゲームをプレイしたいと考えているユーザーにとって、今でも有用なアイテムと言えるでしょう。