PIPPIN

ピピン

『ピピン』は、ロジャー・O・ハーソンが脚本を手掛け、スティーブン・シュワルツが作詞・作曲、ボブ・フォッシーが演出したブロードウェイのミュージカルです。精巧な舞台芸術を通じて、若き王子ピピンが人生の真の意義を見つけようとする物語が織りなされます。

概要

本作は1972年10月23日にブロードウェイのインペリアルシアターで初演され、1977年6月12日まで上演されました。トニー賞を5部門受賞し、474回の公演を果たしたことから、歴史的な作品とされています。ストーリーには中世初頭の背景が用いられますが、実際の歴史とは異なる部分が多いのが特徴です。

ピピンという作品は、元々シュワルツが『Pippin, Pippin』としてカーネギーメロン大学の劇団による学生ミュージカルとして制作したものが起源です。特に、ボブ・フォッシーの独自の演出がこのミュージカルに妖艶さを加え、観客に新鮮な刺激を提供しています。

あらすじ

物語は、リーディング・プレイヤーと呼ばれるキャラクターが劇団を率いて幕を開けます。役者たちは、時代や風俗を超えて演じることによって、観客との距離を縮めます。ピピンは自分のアイデンティティを探求し、本当の幸せを得るための冒険に出発する姿が描かれます。

彼は父親チャールズ王と一緒に城に戻り、貴族たちの策略や権力争いに巻き込まれるひどい状況に直面します。ピピンの成長を描く中で、さまざまな経験を通じて彼は愛情や友情、そして最終的には本当の幸せは何かを見つける旅へと進んでいきます。

主な人物

• - ピピン: 主人公、皇帝の息子
• - リーディング・プレイヤー: 劇団の主役、物語の語り手
• - ファストラーダ: ピピンの義理の母
• - チャールズ: ピピンの父、皇帝
• - ルウィス: ファストラーダの息子、ピピンの義理の弟
• - キャサリン: 幼い息子がいる未亡人
• - バーサ: ピピンの祖母

音楽とスタイル

『ピピン』は、モータウンのリズムを取り入れた楽曲が特徴で、多彩な音楽スタイルの融合が魅力です。特にボブ・フォッシーの振付けによる華やかなパフォーマンスは、ミュージカルの印象を強くしています。また、作品中にはメタフィクション的な要素が含まれ、観客とのインタラクションが重要な要素となる演出が施されています。

再演と評価

本作は、1973年にはロンドンのハー・マジェスティーズ劇場でも上演され、その後も様々なプロダクションが行われてきました。2013年のブロードウェイ再演版では、当年度のトニー賞で最優秀リバイバルミュージカル作品賞を受賞しました。また、新たなエンディングが追加されたことにより、作品の魅力はさらに広がりを見せています。

『ピピン』は、観客に視覚的な魔法と音楽の美しさを提供するだけでなく、人生の根源的な問いを投げかける作品として、今でも多くの人々に愛され続けています。

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