PO箱

PO箱（Post Office box）

PO箱とは、ホイートストンブリッジを利用した電気抵抗計の一形態です。この装置は、抵抗値を高い精度で測定するために設計されており、主に科学教育や実験において利用されています。特に物理の授業で重要な役割を果たしてきました。

歴史的背景

PO箱は、最初に英国郵政庁で採用されたことからその名が付けられました。ホイートストンブリッジ方式の測定装置の一種として、抵抗PとQを比例辺に配置し、可変抵抗Rを一つの箱に収めた形式が採用されています。1960年代には、イギリスのOレベルやAレベルのカリキュラムにおいて、物理実験の標準的な器具として導入されています。

日本では、明治時代の文明開化において、逓信省（現在の日本郵政株式会社）がヨーロッパからこの技術を導入しました。当初は電信や電報を送信するための電信線路の抵抗を測定するために使用されており、通信インフラの構築に寄与しました。

原理と機構

PO箱の原理はホイートストンブリッジという回路に基づいています。既知の抵抗は10Ω、100Ω、1000Ωなどの計算しやすい値に設定され、可変抵抗は抵抗箱として機能します。このようにして、測定したい抵抗値を正確に調整することができます。

抵抗箱は主にプラグ式で構成されており、各プラグは電線として機能するものが多数並んでいます。プラグと並行して抵抗が配置されており、もしプラグが取り外されると、その部分に接続された抵抗が回路に組み込まれ、測定の役割を果たします。この構造により、測定の精度が保たれるのです。

構成と形状

PO箱はさまざまな形態で存在し、携帯用のモデルも販売されています。多くの場合、ブリッジの抵抗辺にはプラグ形やブラシ形の構造が施されます。特に東京電機大学には、実験室での利用を考慮して設計された非常に大型のPO箱が所蔵されており、大勢の学生が使う際にも見やすさを重視しています。

このように、PO箱はその歴史的背景や技術的原理、構造において重要な役割を果たしてきた電気抵抗測定器です。教育現場や各種実験において、今なお多くの人々に利用され続けています。

もう一度検索