PORNO GRAFFITTI BEST RED'S

ポルノグラフィティの情熱が詰まったベスト盤『PORNO GRAFFITI BEST RED'S』

2004年7月28日、人気ロックバンド・ポルノグラフィティは、初のベストアルバムとなる『PORNO GRAFFITI BEST RED'S』をリリースしました。同日には『PORNO GRAFFITI BEST BLUE'S』も同時発売され、大きな話題を呼びました。この2作は、9月8日に迎えるデビュー5周年を記念して発表された、まさにポルノグラフィティの総決算と言える作品です。

『RED'S』のコンセプトはズバリ「情熱」。選曲された楽曲からも、その熱い想いが伝わってきます。「ミュージック・アワー」「サウダージ」「愛が呼ぶほうへ」といった情熱的なシングル曲が中心に据えられ、アルバムやライブで人気の楽曲5曲も収録。さらに、当時未発表だった新曲「フィルムズ」も加わり、全13曲が収録されています。全曲リマスタリングされている点も、このアルバムのクオリティの高さを示す大きなポイントです。

特筆すべきは、このアルバムがポルノグラフィティのカップリング曲が収録された最後のアルバムであるということです。ファンにとっては、まさに貴重な一枚と言えるでしょう。

ジャケットデザインも魅力的です。リンゴをモチーフとし、赤を基調としたデザインは、アルバムのテーマである「情熱」を視覚的に表現しています。初回限定盤の歌詞カードには、通常盤とは異なるリンゴの写真が使用されており、メンバー3人がリンゴを持った写真も掲載されています。初回限定盤はデジパック仕様で、ジャケットのタイトル部分がエンボス加工で立体的に表現されているなど、細部までこだわった作りになっています。

さらに、初回限定盤には『BLUE'S』とのダブル購入者対象の抽選応募ハガキが封入され、「愛が呼ぶほうへ（RED'S賞）」または「ハート（BLUE'S賞）」の特製オルゴールが当たるキャンペーンも実施されました。

当初はレーベルゲートCD2（LGCD2）規格でリリースされましたが、SMEがCCCDからの撤退を発表したため、2005年7月27日には通常のCD-DA規格で再リリースされています。現在ではCD-DA規格のものが広く流通しています。台湾や香港でもCD-DA規格でリリースされ、海外のファンにも愛されています。

チャート記録も素晴らしいものでした。2004年8月9日付のオリコン週間アルバムランキングで初登場2位を獲得。同時リリースされた『BLUE'S』が1位を獲得したため、ポルノグラフィティは同ランキングで1位と2位を独占するという快挙を達成しました。さらに、その後3週連続で2作同時TOP3入りを果たし、同一アーティストによる3週連続のオリコンアルバムチャート2作同時TOP3入りは、イエロー・マジック・オーケストラ以来24年2ヶ月ぶりの快挙となりました。

『PORNO GRAFFITI BEST RED'S』は、単なるベストアルバムを超えた、ポルノグラフィティの充実した音楽性と人気を改めて示す、記念碑的な作品と言えるでしょう。楽曲の選曲、ジャケットデザイン、そしてチャート記録など、あらゆる面で彼らの輝きが詰まった、まさに「情熱」が凝縮された一枚です。メンバーの岡野昭仁、新藤晴一、Tamaの3人による渾身の演奏も聴きどころです。特に、未発表曲「フィルムズ」は、このアルバムでしか聴くことができない貴重なトラックです。当時、Tama脱退発表後も3人体制でのリリースという点も、このアルバムの特別な意味合いを高めています。

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