POSSIBILITY (中森明菜のアルバム)

アルバム『POSSIBILITY』の概要

『POSSIBILITY』（ポシビリティ）は、日本の人気歌手中森明菜が1984年に発表した、彼女の6枚目のスタジオ・アルバムです。このアルバムは10月10日にワーナー・パイオニア（現：ワーナーミュージック・ジャパン）からリリースされ、LP（L-12592）とカセットテープ（LKF-8092）の2形態で展開されました。さらに、同年10月25日にはCD（35XL-47）も発売されています。

アルバムの特徴

『POSSIBILITY』は、収録曲の多くがシングルとしても活躍した楽曲が含まれ、特に8枚目のシングル「サザン・ウインド」と9枚目の「十戒 (1984)」は本アルバムの重要なトラックとして位置付けられています。ジャケットには「7th ALBUM」と表記されているものの、実際には6枚目のスタジオアルバムです。この作品のプロデューサーは島田雄三が引き続き担当し、レコーディングはアオイスタジオやチェリーアイランドスタジオで行われました。

アルバム収録の楽曲は、主に中森がこれまでにリリースしたシングルの作家陣によって手掛けられています。特徴的なところでは、10曲目に7枚目のシングル「北ウイング」の続編として「ドラマティック・エアポート -北ウイング Part II-」が収められており、ファンにとっても魅力ある内容です。

シングルリリース

『POSSIBILITY』からのリード・シングル「サザン・ウインド」は1984年4月11日に発売され、この楽曲はオリコン年間シングルチャートでトップテン入りを果たしました。その後、同年7月25日には「十戒 (1984)」がリリースされ、こちらも年間チャートでの成功を収めました。さらに、12月15日にはアルバム4曲目の「リ・フ・レ・イ・ン」がシングルとしても独立し、TBS系スペシャルドラマ『恋はミステリー劇場』のエンディングテーマに採用されるなど話題を呼びました。

批評と評価

音楽批評サイト『CDジャーナル』では、『POSSIBILITY』について「ジャケットの雰囲気を反映した大人の魅力を持つ曲が多く収録されている」と評されました。また、馬飼野元宏は「彼女のキャリアを振り返る作品集であり、シンガーとしての実力を存分に感じられる」とし、その評価を高めています。

商業的成功

アルバムは1984年10月22日付のオリコン週間LPチャートで初登場し、最高1位を獲得。その後も2週連続でトップを守り、年間チャートでは18位にランクインしています。これは中森明菜の人気を証明する結果とも言えるでしょう。

セルフカバー

作品を提供した作家の来生たかおは、本アルバムに収められた8曲目「白い迷い（ラビリンス）」を自身で「白いラビリンス（迷い）」として1984年11月1日にシングルリリース。そのほか、来生は同年12月に自身のアルバム『LABYRINTH』にも同曲を収めています。編曲はポール・モーリアが担当しました。

まとめ

『POSSIBILITY』は、中森明菜のキャリアの中でも特に印象的なアルバムの一つであり、当時の音楽シーンにおいて重要な役割を果たしました。本作に収められた楽曲の数々は、今でも多くのファンに愛され続けています。

もう一度検索