PPBM

PPBM：ネット動画時代を切り開いたアイドルバラエティ番組

『PPBM』（ピーピービーエム、ペンパイナッポーボーイズアンドメン）は、中京テレビが制作した、男性アイドルグループBOYS AND MEN（ボイメン）を主役としたバラエティ番組です。2017年4月から2018年3月まで、土曜未明（金曜深夜）に放送されました。番組の大きな特徴は、テレビ放送をサブコンテンツとし、メインコンテンツとしてメンバーが制作したオリジナルネット動画を中京テレビの動画配信サービスChuunで配信していた点です。

番組のコンセプトと流れ

番組では、ボイメンのメンバー10人が、それぞれオリジナル動画「BMM（ボイメンムービー）」を制作。これらの動画は、週ごとにChuunにアップロードされ、月ごとの再生回数ランキング「BMMランキング」で競われました。2回目以降は、ボイメンの後輩グループである祭nine.も参加し、競争はさらに激化しました。

これらの動画制作に対して、世界的ヒット「PPAP」で知られる古坂大魔王がご意見番として、的確なアドバイスや批評を提供。古坂大魔王のユーモラスなコメントとボイメンメンバーの個性あふれる反応が番組を盛り上げました。番組は「ネット動画がメイン、テレビがサブ」という、当時としては斬新なスタイルを採用しており、古坂大魔王もネット配信の可能性を高く評価していました。

番組収録は、スタジオにカメラマンを配置せず、無人の定点カメラによるほぼノーカットの「疑似」生放送形式で行われました。メンバーは控室から中継で参加し、古坂大魔王がBMMランキングから気になる動画を選び出す「大魔王チェック」で、スタジオに呼ばれたメンバーのみがトークに参加する形式も番組の特色でした。

メンバーそれぞれの挑戦と個性

各メンバーは個性豊かな動画企画に挑戦しました。水野勝は愛犬との触れ合い動画で高い人気を得た一方、田中俊介はホームランを打つという目標を掲げ、様々な試練を乗り越えようと奮闘しました。田村侑久は様々な企画に挑戦するも、なかなか高順位を獲得できずに苦戦しました。辻本達規は、風船を挟んだ内転筋チャレンジで話題を呼び、古坂大魔王からも高い評価を受けました。小林豊はお取り寄せグルメをテーマにした企画で、本田剛文はサウナでの時事問題解説から、ベッドでの語りかけ動画へと企画を変え、人気を獲得しました。勇翔は寡黙なイケメンを前面に出した企画を続け、平松賢人は美容室でのシャンプー動画や音楽指導動画で視聴者を魅了しました。土田拓海はYouTuber風動画で安定した人気を得、吉原雅斗は餃子企画からダンス企画へと変更し、見事成功を収めました。祭nine.は3人組チームとして、様々なチャレンジに挑戦し、番組を盛り上げました。

コラボレーション企画と番組終了

番組後半には、メンバー同士や外部ゲストとのコラボ企画も増加しました。YouTuberのデカキン、SKE48の須田亜香里と松村香織、ダチョウ倶楽部の上島竜兵など、バラエティ豊かなゲストが参加し、番組に新たな魅力を加えました。最終月には「コラボ祭り」と銘打って、メンバー同士のコラボ動画を数多く配信しました。

2018年3月、レギュラー放送は終了しましたが、Chuunでの動画配信は継続され、ボイメンのネット戦略における重要な役割を果たし続けました。

番組の意義

『PPBM』は、ローカル局がネット配信と積極的に連携した先駆的な番組でした。ネット動画をメインコンテンツとすることで、従来のテレビ番組の枠にとらわれない表現に挑戦し、視聴者参加型の新たなエンターテインメントの形を提示しました。また、ボイメンメンバーの個性と才能を最大限に活かし、彼らをより深く知ることができる番組でもありました。ローカル局におけるネット配信の可能性を示した点でも、注目すべき番組と言えるでしょう。

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