PQ12船団

PQ12船団とQP8船団の運命

PQ12船団は第二次世界大戦中に形成された連合国の一つで、ソビエト連邦への重要な支援物資を運ぶ使命を帯びていました。同時期に出発したQP8船団も存在し、これらの船団は極寒の北極海を航行しながら、命懸けの旅を続けました。

1942年の3月1日、PQ12船団はアイスランドから、QP8船団はコラ湾から出発しましたが、ドイツ海軍の戦艦「ティルピッツ」と駆逐艦が出撃し、PQ12船団を狙った攻撃が行われました。残念ながら、敵船団を見失ったティルピッツは、はぐれた船を一隻だけ沈めることに成功しました。

PQ12船団がドイツ軍の航空機に発見されたのは3月5日のことで、翌日の3月6日にはティルピッツがトロンハイムから出撃しました。この艦隊には、駆逐艦「ヘルマン・シェーマン」や「フリードリヒ・イーン」などが含まれており、オットー・チリアクス中将の指揮の下で行動しました。出発後、いくつかの艦が途中で分離し、トロンハイムへ戻る事態もありました。

ティルピッツの出撃時、本国艦隊も船団支援のために展開しており、戦艦「キング・ジョージ5世」や空母「ヴィクトリアス」などが参加していましたが、悪天候が続き、偵察機の運用が困難でした。これにより、ティルピッツの捜索は難航しました。

3月7日には、PQ12船団とQP8船団が近接しましたが、この接触は運命を左右する瞬間となりました。PQ12船団は悪天候のため、進路を変更する必要があり、またティルピッツも敵艦船を捉えることができませんでした。結局、ティルピッツは何も発見できないまま、捜索を打ち切り、他の目的地に向かうことを決定しました。

事態はさらに進展し、3月9日の早朝、アルバコアによる偵察が行われ、ティルピッツの位置が特定されましたが、ドイツ艦隊にとっては運が悪いことに、攻撃部隊は全ての攻撃を回避され、また一部が撃墜される結果になりました。本国艦隊は無事に帰投しましたが、ティルピッツは連続して攻撃を受けることはありませんでした。

最終的に、PQ12船団は3月12日にムルマンスクに到着し、重要な物資をソビエト連邦へ届けることに成功しました。この運航は、戦争の流れを変える大きな一歩となり、連合国の成功に寄与したのです。こうして、PQ12船団の行動は歴史に刻まれることとなりました。

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