PSSh (航空機)

PSSh: ロシアの次世代攻撃機の概要

PSSh（ロシア語: ПСШ）は、スホーイが開発した次世代の攻撃機であり、Su-25の後継機となる予定でした。PSShは「Perspektivnym Samoletom Shturmovikom」の略で、日本語に訳すと「将来攻撃機」を意味します。開発の名称には「Шершень-ЭП（Shershen-EP）」があり、これはスズメバチを指します。

開発の背景

ロシア空軍では、2011年に新たな攻撃機の要求が提案され、重装甲を持つ単座機でありながら、レーダーや精密誘導兵器の運用能力を有する全天候型の機体が求められました。これに対して、ヤコブレフはYak-130の発展型Yak-131を、スホーイはSu-25の発展型を提案しましたが、Yak-131はそのサイズの小ささと乗員防御の不足から選定には至りませんでした。結果として、Su-25の発展型が選定されたのです。選定を受け、スホーイは設計作業のために2.1億ルーブルの融資を受けることとなりましたが、2016年にはPSShの開発は中断され、Su-25のさらなるバージョンであるSu-25SM3が選択されました。

設計の詳細

PSShは、過去のSu-25TやSu-39と同じく、複座型のSu-25UBをベースに設計されていました。後部座席を撤去することで、燃料タンクとして活用し、作戦行動半径を1,000kmに増加させる予定でした。さらに、R-195ターボジェットエンジンの発展型を搭載できる見込みでありました。

機体構造は強化され、耐久性が向上する一方、最大6トンの武装を搭載できるよう設計され、5Gの機動も可能とされていました。また、飛行高度は11,000mまで上昇可能で、信頼性や運用のしやすさも兼ね備えていました。加えて、異なる滑走路での運用能力や短距離離着陸能力（STOL）が盛り込まれ、レーダーに対するステルス性も考慮されていました。

アビオニクスについては大規模な改良が計画され、航法システムの向上やコックピットの近代化が進められることになりました。ヘルメットマウント式の照準システムも導入され、機首には赤外線暗視装置やレーザー測距機、高解像度のTVカメラを組み合わせた「SOLT-25」が装備される予定でした。さらに、AESAレーダーの導入も計画され、これにより複数の目標を同時に攻撃する能力が期待されました。対空の脅威に対しては、衛星誘導システムを含む新たな誘導兵器や高精度の長距離ミサイルも運用可能とされる予定でした。

将来的には、スホーイが開発中の大型無人航空機（UCAV）と連携した運用が考えられていたと言われています。

仕様（予定値）

• - 乗員: 1名
• - ペイロード: 6,000kg
• - 動力: R-195発展型ターボジェットエンジン（2基搭載）
• - 実用上昇限度: 11,000m
• - 作戦行動半径: 1,000km

これらの仕様が実現されることによって、PSShはロシアの空軍において高度な戦闘能力を提供する予定でしたが、開発の中断によりその実現は叶いませんでした。

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