ParisTech

パリテック：フランスを代表する技術系大学連合

パリテック（ParisTech）は、フランスにおける名門技術系高等教育機関の連合体です。1991年の設立は、フランスの複数の優秀な工科系大学が連携することで、国際的な競争力を高め、より大きな影響力を持つ組織を構築するという必要性から生まれました。単なる大学連合ではなく、世界的な工学系大学と肩を並べる、総合的な科学技術大学としての地位を確立しています。

パリテックは、フランス政府の支援の下、理事会によって運営されています。理事会メンバーは、構成大学や研究機関から選出された教授、研究者、学生代表などから構成され、戦略的な助言と科学的な指導に基づいて運営されています。大統領が総裁を務め、政府機関からのサポートも受けています。

構成大学：伝統と革新を融合した13の大学

パリテックには、フランスを代表する13の大学が加盟しています。それぞれの大学は長い歴史と高い教育・研究レベルを誇り、多様な専門分野をカバーしています。主な構成大学は以下の通りです。

国立土木学校（École nationale des ponts et chaussées）: 1747年設立。土木工学分野における歴史と伝統を誇る名門校。
アグロ・パリ・テック（AgroParisTech）: 2007年設立。農業、食品、バイオテクノロジー関連の教育・研究を行う大学。複数の農業学校を傘下に持っています。
国立統計経済行政学院（ENSAE）: 1942年設立。統計学、経済学、行政学を専門とする大学です。
国立高等工芸学校（ENSAM）: 1780年設立。工芸技術の教育・研究を担う、歴史ある高等教育機関です。
パリ国立高等化学学校（ENSCP）: 1896年設立。化学工学分野において、高いレベルの教育と研究を提供しています。
パリ国立高等鉱業学校（ENSMP）: 1783年設立。鉱山工学だけでなく、幅広い分野のエンジニアを育成しています。
国立高等電気通信学校（TELECOM ParisTech）: 1878年設立。電気通信、情報通信技術分野を専門とする大学です。
国立高等先端技術学校（ENSTA ParisTech）: 1970年設立。先端技術分野の教育・研究において高い実績を持つ大学です。
エコール・ポリテクニーク（École polytechnique）: 1794年設立。フランスを代表する総合科学技術大学であり、高い国際的な評価を受けています。
パリ市立高等工業物理化学学校（ESPCI Paris）: 1882年設立。物理学、化学、工学の分野で高いレベルの教育を提供しています。
高等光学学校（Institut d'Optique Graduate School）: 1917年設立。光学分野を専門とする大学院です。
HEC経営大学院（HEC Paris）: 1881年設立。経営学分野において、世界的に高い評価を得ているビジネススクールです。

規模と実績：国際的な存在感を示す

パリテックは、約12,000人の学生（うち13％が留学生）と、3,000人の教授・研究員を擁する、大規模な組織です。2,000名にのぼる博士課程学生も在籍し、活気あふれる研究環境が形成されています。これまで75,000名以上の卒業生を輩出しており、卒業生は産業界で活躍し、母校との繋がりを維持しています。

研究活動も盛んで、130の研究室が設置され、毎年450編以上の卒業論文が提出され、過去5年間で15,000件以上の学術論文が出版されています。2,870社もの企業との共同研究も行われ、産学連携にも力を入れています。

教育プログラムは、工学修士（約2,500名）、DEA（132の専攻）、修士課程（57の専攻）、パリテック独自の工学修士課程（15コース）など、多岐に渡ります。

パリテックは、フランスの科学技術発展に大きく貢献し、国際的な舞台でも高い評価を得ている、世界的な技術系大学連合です。

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