Poppler

Popplerは、PDFドキュメントを表示するための自由ソフトウェアのプログラミングライブラリです。freedesktop.orgによって管理されており、その起源はXpdfにあります。PopplerはXpdfをベースにしつつも、レンダリングエンジンの取り扱いを効率化し、OSの機能との統合を深めることで、Xpdfの目的を超えるものを目指して開発されました。Xpdfが独立したソフトウェアであるのに対し、Popplerはより柔軟な利用を可能にすることを目指しています。

Popplerは、多くのPDFビューアで採用されており、Xpdfのバックエンドとしても使用できます。また、KOfficeなどの他のアプリケーションでも利用されています。このライブラリの名前「Poppler」は、テレビアニメシリーズ『フューチュラマ』のシーズン2、第15話「The Problem with Popplers」に由来しています。

Popplerを利用したPDFリーダー

多くの自由ソフトウェアが、PDFドキュメントの表示にPopplerを利用しています。これは、Popplerが提供する高い描画品質と安定性によるものです。具体的なソフトウェア名については、多くのPDFビューアやドキュメントビューアが該当するため、ここでは割愛します。

Xpdfを拡張した機能

Popplerは、Xpdfをベースとしていますが、以下のような機能拡張が行われています。

cairo描画バックエンドの利用: Popplerは、描画バックエンドにcairoを使用しています。これにより、アンチエイリアス処理が施された高品質なベクターイメージと、透過オブジェクトの表示が可能になりました。cairoはX Window Systemに依存しないため、PopplerはX.Org ServerがプリインストールされていないMicrosoft WindowsやMac OSといったプラットフォームでも動作します。
注釈のサポート: Popplerは、PDFドキュメントに保存された注釈を扱うことができます。この機能により、PDFドキュメントの注釈の表示や編集が可能となり、共同作業やレビュープロセスが円滑になります。（現在は開発中の機能であり、詳細はlive.gnome.orgを参照してください。）
フォーム編集機能: Popplerでは、PDFフォームに記入された情報をファイルに保存する機能がプレビューリリースで提供されています。これにより、PDFドキュメントのフォームへの入力を、効率的に行えるようになりました。

その他の情報

freedesktop.org: Popplerは、freedesktop.orgによって管理されています。freedesktop.orgは、様々な自由ソフトウェアプロジェクトをホストし、デスクトップ環境の標準化を推進する組織です。
PDFソフトウェアの一覧: Popplerは、多くのPDFソフトウェアの一部として利用されています。他のPDFソフトウェアについては、別途リストを参照してください。
自由ソフトウェア: Popplerは自由ソフトウェアとして提供されており、誰でも無料で利用、改変、配布することができます。

外部リンク

公式ウェブサイト
How to install Poppler on Windows: Windows版Popplerの入手方法 - Stack Overflow
* Poppler --- PDF ビューア・操作ツール: 日本語の情報 - TeX Wiki

Popplerは、PDFドキュメントの表示に欠かせない重要なライブラリであり、その開発は継続的に進められています。多くのPDFソフトウェアで利用されていることから、その信頼性と性能の高さが伺えます。自由ソフトウェアとして提供されている点も、多くのユーザーにとって利点となります。

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