Power Macintosh 9500

Power Macintosh 9500

Power Macintosh 9500（Power Macintosh 9515）は、Appleが1995年6月から1997年2月にかけて設計、製造、販売したパーソナルコンピュータです。Power Macintosh 8100で採用されたPowerPC 601チップより高速な第2世代PowerPCチップであるPowerPC 604プロセッサを搭載していました。1996年8月に発売された180MPと200MHzのモデルは、強化されたPowerPC 604eプロセッサを採用していました。

特徴

Power Macintosh 9500は、当時のMacintoshとしては初の試みが数多く盛り込まれています。

CPUドーターカード: CPUがドーターカードに搭載されており、容易に交換が可能でした。120〜200MHzのシングルプロセッサカードと、180MHzのCPUを2つ搭載したデュアルプロセッサカードが用意されていました。
PCIバス: Macintoshとして初めてPCIバスを採用し、6つのPCIスロットを搭載していました（うち1つはグラフィックカード用）。オンボードビデオを省き、ユーザーが自由にグラフィックカードを選択できる設計となっていました。
DIMMメモリモジュール: Appleのコンピュータとして初めて168ピンのDIMMメモリモジュールをサポートしました。ロジックボード上には12個のメモリスロットがあり、最大768MBのメモリを搭載可能でした。
高速なSCSI: 新しいSCSI-2 Fast規格をサポートし、高速なデータ転送を実現しました。
4倍速CD-ROM: Macintoshとして初めて4倍速CD-ROMドライブを搭載しました。

評価

MacWorld Magazineは、Power Macintosh 9500に肯定的なレビューを与え、「多くの人に向けた第2世代Power Macとしては高価すぎる。しかし、カラー出版やメディア制作のためのハイエンドグラフィックワークステーションの基盤として、非常に優れている。その速度と拡張性は、科学技術市場でも人気を博すはずである」と評価しました。同社のベンチマークでは、Mac 68kエミュレータで古いMacのソフトウェアを実行した場合、Power Macintosh 9500はQuadra 950の性能不足を克服し、Quadra 900の約2倍の速度であることが確認されました。

その他

ロジックボードの基本設計である「Tsunami」は、Macintoshクローンメーカのリファレンス設計として利用されました。
サードパーティのPowerPC G4 CPUアップグレードとXPostFactoインストールユーティリティを利用することで、Mac OS X v10.5 Leopardまで実行可能でした。

モデル一覧

すべてのモデルに標準で16MBのRAM、1GBのHDD、AppleCD 600i 4倍速CD-ROMが搭載されていました。

Power Macintosh 9500/120: 120MHz CPU
Power Macintosh 9500/132: 132MHz CPU、2GB HDD
Power Macintosh 9515/132: 9500/132と同仕様、ヨーロッパおよびアジアで販売
Power Macintosh 9500/150: 150MHz CPU、16または32MB RAM、2GB HDD
Power Macintosh 9500/180MP: 2つの180 MHz PowerPC 604e CPU、16または32 MB RAM、2 GB HDD、AppleCD 1200i 8xCD-ROM
* Power Macintosh 9500/200: 16または32 MB RAM、2 GB HDD、AppleCD 1200i 8xCD-ROM

Power Macintosh 9500は、Power Macintosh 9600に置き換えられました。

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