Power Macintosh

Power Macintosh

Power Macintosh（パワーマッキントッシュ）は、かつてApple Computer（現Apple）が開発・販売していたデスクトップパソコンの製品群です。CPUにApple Computer、IBM、モトローラの三社で開発したPowerPCを採用したことが大きな特徴です。PowerPC G4を採用した機種からはPower Macと改称されました。

概要

Power Macintoshシリーズは、Mac OS 9以前の時代にApple Computerの主力製品でした。比較的豊富なラインナップで、ミッドレンジからハイエンドまでをカバーしていました。略称はPower Macで、後にこれが正式な名称となりました。

一部を除いてセパレート型のデスクトップで、複数のメモリスロットや拡張スロットを持ち、拡張性が確保されていました。また多くの製品でプロセッサのアップグレードが可能であり、CPUアクセラレータが多数発売され、製品寿命の延長に貢献しました。

製品構成は、より入門者向けのPerformaが大量のソフトウェアをバンドルしていたのに対し、Power Macintoshはシステムなど最小限のソフトウェアがバンドルされているだけのシンプルなものでした。

名称について

G3以前の機種では、4桁のナンバーにより機種を区別していました。最初の数字は筐体の形状を表しており、6xxxはピザボックス型（薄型デスクトップ）、7xxxは厚手のデスクトップ型、8xxxはミニタワー、9xxxはフルタワーでした。次の3桁はその機種の世代や位置づけを表し、x100は第一世代、x500は第二世代の前半、x600は第二世代の後半でした。

この命名規則は全機種に必ずしも当てはまるものではなく、廉価型やPerforma系の機種には多くの例外がありました。またG3以降はこの命名法は適用されなくなり、Blue & White以後は筐体の種類も一本化されました。

各世代の特徴

第1世代 (Power Macintosh 6100, 7100, 8100)

Power Macintoshシリーズ最初の製品です。プロセッサにはPowerPC 601シリーズを採用しました。筐体はそれぞれ、6100がピザボックス、7100がデスクトップ、8100がミニタワーでした。筐体のデザインは在来機種のCentrisやQuadraのものを受け継いでいます。このシリーズでは「拡張スロットにNuBusを使用」している唯一の世代であることからNuBus Power Macと通称されます。

設計は、従来の68KアーキテクチャからPowerPCアーキテクチャへの移行を円滑にするべく、互換性を重視したものになっています。拡張スロットにはNuBusを採用、メモリーは72pin SIMMを二枚組で使用することによって64bitのバス幅を確保しています。これらは68K Macのユーザーが、これまでの投資を無駄にすることなく新アーキテクチャーへ移行できるようにとの配慮です。一方でこうした互換性重視の設計が、PowerPCアーキテクチャが本来の性能を発揮することの妨げになっていたという側面もあります。

第2世代のPower Macintosh

第1世代の3シリーズに続いて発売された、68k Macから引き継いだ設計を一新し、新たなデザインとなったPower Macintoshシリーズです。

ロジックボードの設計はNuBusやSIMMといった旧弊化した機構を排除し、PCIと168pin FPM DIMMメモリーを新たに採用しました。これによりシステム全体のパフォーマンスが向上しました。また、7200以外ではプロセッサがドーターボード上に搭載されているため、G3やG4といったより高性能なプロセッサへの交換も容易でした。

第1世代に対し、PCIスロットの搭載が特徴となったためPCI Power Macと通称されます。その後のPower Macintoshも（一部の例外を除いて）PCIスロットを持ちますが、基本的にこの通称はこの一連のシリーズのみを指します。

Power Macintosh G3

1997年12月3日発表。プロセッサにPowerPC G3を搭載した最初の製品。DTはデスクトップタイプ、MTはミニタワー、All In Oneは一体型です。これまでの数字4桁のモデル名は廃止され、名称は全てPower Macintosh G3に統一されました。通称「Gossamer G3」（All in Oneを除く）。

新採用のプロセッサ、PowerPC G3はこれまでの主力、PowerPC 604シリーズに比べ低価格、低消費電力でありながら、バックサイドL2キャッシュの採用により大幅な性能向上を果たしており、これにより旧来の製品に比べ飛躍的な性能向上が実現されました。

MT・DTではGossamerと呼ばれる、これまでのPower Macintoshシリーズとは大幅に異なるアーキテクチャを採用しました。これまでの独自の機能を満載した高機能路線を変更し、PC/AT互換機|PC_AT互換機で広く普及している技術を採り入れることによって開発費の圧縮、ロジックボードの小型化、高性能化、更には低価格化に成功しました。

最大の刷新はメモリーにPC/66 SDRAMを採用したことです。これまでPower MacintoshシリーズはFPM-DIMMを採用しており、2本のメモリーを対にして動かす「メモリーインターリーブ機構」を搭載することによって転送速度を高速化していました。しかしこの機構は複雑で、メモリーを2本単位で増設しなければ機能しないなどの弱点がありました。GossamerではPC/AT互換機|PC_AT互換機で主流になっていたSDRAMの採用をすることによりメモリーの高速化に成功しました。

Power Macintosh G3 (Blue & White)

1999年1月発売。ロジックボードはYosemite、筐体はEl Capitanという開発コードのシリーズ。FireWire 400とUSB 1.1、ATA-4を搭載した最初のPower Macintosh。

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