PowerBook 2400c

PowerBook 2400cは、かつてApple Computerが販売していたPowerBookシリーズのサブノート型ノートパソコンです。Apple初の日本市場向けモデルとして、1997年に登場しました。

概要

PowerBook 2400cは、PowerBook Duo 2300c/100の実質的な後継機種として位置づけられます。初代モデルであるPowerBook 2400c/180（開発コードネーム：Comet）は、1997年5月30日に438,000円で発売されました。翌1998年4月には、スペックの向上や熱対策、ネジの脱落防止策が施されたPowerBook 2400c/240（開発コードネーム：Mighty Cat）が登場しています。

PowerBook 2400cには、フロッピーディスクドライブや光学ドライブは標準装備されていませんでした。フロッピーディスクドライブは外付けの付属品として提供され、光学ドライブは搭載されていません。ただし、再インストール用のMac OS（システムディスク）はCD-ROMで同梱されていました。

評価

PowerBook 2400cは、当時のPowerBookシリーズの最上位機種であったPowerBook 3400cの性能を小型の筐体に詰め込んだスペックであり、携帯性とコストパフォーマンスに優れたマシンであると評価されました。そのデザイン性も評価され、1997年度のグッドデザイン賞を受賞しています。担当デザイナーは、Christopher Stringer氏です。

携帯性を重視する日本市場をターゲットとしていたため、日本においてはかなりの人気モデルとなりました。しかし、アメリカでの売り上げは伸び悩み、全シリーズの累計出荷台数は7万台程度にとどまりました。また、クリックボタンの不具合やCPUが熱で破損するなどの問題も発生し、PowerBook 2400cは失敗作と見なされることもあります。この機種以降、地域限定モデルは開発されていません。

開発・設計

PowerBook 2400cのプロジェクトは、1996年2月から翌年7月までAppleの最高経営責任者（CEO）であったギル・アメリオ氏自身が主導しました。アメリオ氏が日本に派遣した技術者チームが東京の満員電車を体験したことが、小型軽量マシンの開発のきっかけになったとされています。

PowerBook 2400cは、当時の日本IBM（日本IBM大和事業所）と共同で開発され、ThinkPad 535を製造していた日本IBM藤沢事業所で製造されました。IBMがOEM生産したPowerBookであることから、開発コードネームではなくThinkMacと呼ばれることもありました。小さな筐体にPowerBook 3400相当のスペックを搭載するため、ThinkPad 535と同様にロジックボード（マザーボード）を3段構造としています。また、液晶パネルをThinkPad 535と同じ東芝製にしたり、IBM製ハードディスクドライブを採用するなど、ThinkPadとの共通化を図ることでコストダウンを実現しました。ThinkPad 535は、PowerBook 2400cとの比較対象としてよく挙げられます。

外観デザインはApple本社のデザイナーであるChristopher Stringer氏が担当しましたが、当時のApple日本法人の意見も取り入れられています。

PowerPC G3へのアップグレードカードも販売されていましたが、製造メーカー2社が倒産したため、現在では新品でのアップグレードは非常に困難になっています。

スペック

(詳細なスペックは省略)

関連項目

MacBook Air - 有線LAN端子および光学ドライブを搭載しない軽量・小型（薄型）ノートパソコン
PowerBook G4 12インチモデル - 2003年当時最小のPowerBook、PowerBook 2400cと熱問題が言及される。

外部リンク

* Apple Macintosh PowerBook 2400c/180

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