Prima (機関車)

Prima（プリマ）

Primaは、アルストムグループの一部であるアルストム・トランスポール社が展開している機関車ブランドで、特にセミ・オーダーメイドの製造プロセスを導入しています。このブランドは、鉄道会社が求める特定のニーズに応えるために、基本仕様が事前に設定されており、外装や詳細な仕様を鉄道会社が選択できる柔軟性を持っています。電気機関車のみならず、電気式ディーゼル機関車にも対応しており、多様な運用が可能です。

概要

Primaの車両はオーダーメイドではなく、あらかじめ決定された基本的な仕様をもとに、鉄道会社が自らの要望に応じた選択肢を持つ設計が特徴です。これにより、標準化とコスト効率を追求しつつ、各社の特別な要求にも柔軟に応じられるメリットがあります。仕様の選択肢には、出力、電源方式、車軸配置が含まれ、これにより異なる目的や運用条件に最適化された車両が提供されます。

歴史

Prima機関車の開発は1998年まで遡ります。当時、フランス国鉄（SNCF）がヨーロッパ標準規格に基づいた貨物用機関車を注文し、フレキシブルな運用が求められました。2001年には最初の試作車が製造され、翌年にはフランス国内用の2電源型機関車がSNCFに納入されました。

以下に主な出来事をまとめます。

• - 1998年: SNCFが120両の貨物用機関車を注文。
• - 2001年: 最初の試作車が完成。
• - 2002年: 2電源対応の量産車がSNCFに納入。
• - 2003年: 新型の試作車「Prima 6000」が完成し、出力を6000kWに引き上げ。
• - 2004年: 3電源対応機関車をSNCFに納入。初代試作車の運用が終了。
• - 2005年: Prima 6000がSNCFの公式車籍を獲得。
• - 2008年: BB47001が国外で試験運用される。
• - 2009年: BB47001が廃車となるが、Prima 6000の部品を使って新型試作車「Prima Ⅱ」が開発される。

仕様

共通部分: Primaの機関車は一般的に、4200kWから6000kWの出力が選べます。

選択できる要素:

• - 出力:

- モーター: 4200kW - 6000kW
- ディーゼルエンジン: 2000kW - 2880kW

• - 電源方式:

- 直流電流: 1500Vまたは3000V
- 交流電流: 15kVまたは25kV

• - 車軸配置:

- Bo'Bo'
- Co'Co'

• - 最高速度:

- 貨物用: 140km/h
- 旅客用: 220km/h

保安装置も利用企業によって選択され、多くの国ではETCSへの統合が進められています。

導入事例

Primaシリーズは、ヨーロッパの各国に広く導入され、フランス国鉄（SNCF）にはBB47000形電気機関車等が存在します。また、欧州以外では、中国国鉄やモロッコ国鉄にも導入されています。

保存車両

初代試作車はフランス・ベルフォールのアルストム工場に保存されています。

関連項目

他の鉄道車両ブランドとしては、ボンバルディアのTRAXXやシーメンスのユーロスプリンターがあります。これらのブランドもセミ・オーダーメイドの車両を展開しており、競争が激しい市場で共存しています。

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