Quarter Video Graphics Array

QVGA（Quarter Video Graphics Array）とは

QVGAとは、ディスプレイなどの表示装置における画素数構成の一つで、その特徴は縦横の画素数が320×240である点です。これは、VGA（Video Graphics Array）と呼ばれる解像度のちょうど四分の一にあたることから、「Quarter」という名称が用いられています。アスペクト比（画面の縦横比）は4:3で、これは一般的なテレビやコンピューターモニターと同じ比率です。

QVGAの利用

QVGAディスプレイは、2000年代初頭から2009年頃まで、特にPDA（Personal Digital Assistant）、携帯電話、PHS（Personal Handy-phone System）などの小型情報家電で広く利用されました。小型でありながら十分な解像度を持つため、これらの機器の画面表示に適していたのです。また、移動体端末向けの地上デジタルテレビジョン放送であるワンセグ放送も、最大で320×240の解像度を採用しており、QVGAディスプレイはその表示に活用されました。

QVGAの派生規格

QVGAをベースに、画面の長辺を拡張したさまざまな派生規格が存在します。これらの規格は、QVGAの解像度を維持しながら、より広い表示領域を提供するために開発されました。

QVGA+

QVGA+（キューブイジーエープラス）は、345×240ドットの解像度を持ち、アスペクト比は4.3125:3です。日本電気（NEC）が開発し、自社製携帯電話端末に採用されました。QVGAよりも横方向に25ドット広い領域は、電波状況、電池残量、未確認メールの有無など、ユーザーにとって重要な情報を表示するために利用されました。

ワイドQVGA

ワイドQVGAは、400×240ドットの解像度を持ち、アスペクト比は5:3です。カシオ計算機が開発し、ワンセグの普及や携帯電話の大画面化に伴い、多くの携帯電話メーカーが自社製品に採用しました。ワイドな画面は、動画コンテンツの視聴やウェブサイトの閲覧に適していました。

ワイドQVGA+

ワイドQVGA+は、427×240ドットの解像度を持ち、アスペクト比はほぼ16:9です。NECが開発し、NECとパナソニック モバイルコミュニケーションズが自社製携帯電話端末に採用しました。アスペクト比が16:9に近いことから、よりワイドな映像表示を必要とするコンテンツに適しています。

フルワイドQVGA

フルワイドQVGAは、432×240ドットの解像度を持ち、アスペクト比は16.2:9です。ソニー・エリクソンが開発し、ソニー・エリクソンと富士通が自社製携帯電話端末に採用しました。より16:9に近いアスペクト比は、映画などの映像コンテンツの表示に適しています。

関連項目

• - 画面解像度: ディスプレイにおける画素数の構成を指します。QVGAのように、数値で具体的に表現されます。
• - 240p: 解像度を示す言葉で、垂直方向の画素数が240であることを示します。QVGAの240という数値がこれにあたります。

これらの派生規格は、それぞれの特徴を活かして、携帯電話などのモバイル端末の進化に貢献しました。QVGAは、その後のディスプレイ技術の発展の基礎となった重要な解像度の一つと言えるでしょう。

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