R-5 (航空機・日本)

R-5 練習機の概要

R-5は、石川島飛行機によって製造された日本の練習機であり、名称の「R」は「練習機」を意味しています。この機体の設計は、1930年（昭和5年）に始まり、吉原四郎技師の指導の下、中川守之技師が主務者として関わりました。設計作業は1932年（昭和7年）2月に完了し、翌年の1933年（昭和8年）に試作一号機が完成。その後、続いて二号機も製造されました。

試作機は社内での試験飛行を経た後、陸軍による正式な審査を受けることになりました。その際、高い性能が認められましたが、搭載されていたシラス・ハーメスエンジンの問題により、陸軍向けとしては不採用となってしまいました。しかし、試作機のうち2機は、その後日本学生航空連盟（学連）によって練習機として採用され、長い期間にわたって使用されました。

1936年（昭和11年）の9月から10月にかけては、関西学院と慶應義塾大学のパイロットによって第二回訪満使節親善飛行が行われました。この飛行中にはデモ飛行も行いながら、東京と新京を往復しました。R-5の機体は、鋼管製の骨組みを持つ胴体と、木製骨組みの主翼を持つ複葉機であり、主翼は合板で成形されています。また、降着装置は固定脚となっています。

R-5は、R-3の近代化型として位置づけられる機体であり、その設計は軽量であるだけでなく、操縦のしやすさや安定性、耐久性に優れています。このため、高度な曲技飛行にも対応できる能力を具えていました。さらに、製造された2機のうちの1機は金属製プロペラを装備し、もう1機は木製プロペラを搭載していました。

諸元

• - 全長: 7.17 m
• - 全幅: 9.55 m
• - 全高: 2.54 m
• - 主翼面積: 上翼 11.75 m²、下翼 7.25 m²
• - 自重: 537 kg
• - 全備重量: 777 kg
• - エンジン: 石川島/シラス ハーメスMk.IV 空冷倒立直列4気筒（離昇135 hp） × 1
• - 最大速度: 185 km/h
• - 巡航速度: 148 km/h
• - 実用上昇限度: 4,000 m
• - 航続距離: 480 km
• - 乗員: 2名

R-5は、その特性から多くの学生パイロットに支持され、日本の航空機の歴史の中で重要な役割を果たしました。

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