RAR

RAR（ラー）とは

RAR（ラー、アールエーアール）は、データ圧縮のためのファイルフォーマットの一つで、もともとはMS-DOSベースのファイル圧縮ソフトウェアの名前でもありました。ZIP形式と比較して高い圧縮率を誇り、特にリカバリレコードという独自の機能が特徴です。このリカバリレコードにより、圧縮ファイルが破損した場合でも、ある程度まで修復することが可能になります。また、ファイルを指定したサイズごとに分割して圧縮することもできます。

RAR形式の利用

RAR形式のアーカイブを作成するには、WinRARやMacRARなどのプロプライエタリなソフトウェアが必要です。しかし、7-Zipのようなフリーソフトウェアでも、展開のみであれば対応しています。

2013年にリリースされたWinRAR5からは、新しいフォーマットであるRAR5が登場しました。拡張子は従来の.rarと同じですが、古いバージョンのソフトウェアでは扱うことができません。

拡張子

通常、RARファイルには「.rar」または「.RAR」という拡張子が用いられます。マルチボリューム（分割）ファイルの場合、古いバージョンでは「.rar」「.r00」「.r01」「.r02」のように連番の拡張子が使用されていました。しかし、現在のバージョンでは「.part1.rar」「.part2.rar」のような形式になっています。また、「.rev」はリカバリーボリュームファイルとして使用されます。

フォーマットの変遷

RARフォーマットには、いくつかのバージョンが存在します。

v1.3: オリジナルのフォーマットで、「Rar!」というシグネチャーを持ちません。
v1.5: v1.3の次のバージョンです。
v2.0: WinRAR 2.0およびMS-DOS2.0向けのRarでリリースされました。トゥルーカラービットマップ画像や非圧縮オーディオ向けのマルチメディア圧縮、1MBまでの圧縮辞書サイズ、リカバリーレコードなどの機能が導入されました。
v2.9: WinRAR 3.00でリリースされ、拡張子が「{ボリューム名}.part001.rar」「{ボリューム名}.part002.rar」のように変更されました。ファイルヘッダとファイルデータの両方が暗号化されるようになり、圧縮方式として4MBの辞書が使用され、テキストデータにはPPMIIアルゴリズムが、他のデータにはプラットフォームとファイルタイプに応じたフィルタが適用されるようになりました。また、暗号化方式がAES 128ビットに変更可能となり、リカバリーボリュームの作成や9GB以上の圧縮ファイルに対応、Unicode（UTF-16リトルエンディアン）でのファイル名保存が可能になりました。
v5.0: WinRAR 5.0以降でサポートされ、最大圧縮辞書サイズが1GBに増加、デフォルトが32MB（従来の4MBから）、ファイル名の最大長が2048文字までに拡大しました。リード・ソロモン符号によるリカバリーレコードの機能強化、リカバリーボリュームの高速化、UTF-8でのファイル名保存、UTCでのタイムスタンプ保存、解凍時のマルチスレッドサポート、256ビットAES暗号化、256ビットBLAKE2spチェックサムのサポート、重複ファイル検出機能、NTFSハードリンク、シンボリックリンク、リパース・ポイントの保存、クイックオープンレコードなどが導入されました。

なお、テキスト圧縮、マルチメディア圧縮、Itanium実行ファイル圧縮アルゴリズムは削除されたため、一部ファイルではRAR5よりも従来のフォーマットの方が圧縮率が高い場合があります。

関連項目

CBR: RARを用いたデータフォーマット
7-Zip: フリーのファイル圧縮・解凍ソフトウェア
ZIP: 一般的なファイル圧縮フォーマット
LHA: 同じく「ラー」と呼ばれることがあるファイル圧縮フォーマット
CAB, D[[GCA]], GCA: その他のアーカイブフォーマット

外部リンク

RARLAB
WinRAR in Japan
MacRAR Project
ソフトウェア'>BetterZip 2 (macOS)

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