REAPER

REAPER（Rapid Environment for Audio Production, Engineering, and Recording）は、Cockos社によって開発された、MIDIシーケンス機能を備えたデジタルオーディオワークステーション（DAW）です。Windows（XP以降）とmacOS（10.5以降）に対応しており、Linux向けにはベータ版が公開されています。Raspberry Piでも動作するバイナリが配布されているなど、幅広いプラットフォームで利用可能です。

REAPERは、VSTやAudio Unitsといった業界標準のプラグイン形式に対応しており、様々なオーディオ／ビデオファイルフォーマットを読み込むことができます。また、ReaScriptやJSFX（Jesusonic FX）といった機能拡張の仕組みが用意されており、EEL2（REAPER独自のDSL）、Lua、Pythonを用いてプラグインなどを記述できます。これにより、ユーザーは自身のニーズに合わせた機能を追加・カスタマイズできます。

付属ソフトウェアとプラグイン

REAPERには、ReaEQ、ReaVerb、ReaGate、ReaDelay、ReaPitch、ReaCompなど、頻繁に使用されるエフェクトが多数付属しています。これらのRea-プラグインは、ReaPlugs VST FX Suiteとして、他のDAWユーザーもダウンロードして利用できます。

また、標準エフェクトから、MIDIやオーディオへの具体的な応用が利くものまで、数百のJSFXプラグインが付属しています。JSFXスクリプトはテキストファイルであり、REAPERに読み込むことで、ディレイ、ディストーション、コンプレッサーなどの単純なオーディオエフェクトから、シンセサイザー、サンプラーなどの楽器、ドラムトリガー、サラウンドパンニングといった高度なツールまで、様々な機能を持つプラグインとして利用可能です。JSFXプラグインはテキストエディタで編集可能なため、ユーザーは完全にカスタマイズできます。

REAPERはサードパーティ製ソフトウェアを一切同梱していませんが、VSTの全てのバージョンに完全準拠しており、多くの無料および商業プラグインを利用できます。REAPERのx64バージョンでは、x64プラグインと並行して32bitプラグインを動作させることができます。

ビデオ編集

REAPERは、動画ファイルのカットやトリミングにも利用可能です。動画の音声編集や置換も可能であり、フェード、ワイプ、クロスフェードといったビデオエフェクトも利用できます。動画ファイルを他のオーディオトラックと同様にプロジェクト内で並べることができ、分割されたビデオウィンドウで作業中の動画部分を確認できます。

まとめ

REAPERは、オーディオ制作からビデオ編集まで幅広い用途に対応できる、非常に柔軟性の高いDAWです。豊富なプラグインと拡張性、そしてカスタマイズ性の高さから、プロフェッショナルな現場から個人制作まで、多くのユーザーに支持されています。

脚注

REAPERは、個人利用ライセンスと商用ライセンスがあります。
定期的にアップデートが行われ、機能が追加・改善されています。
ユーザーコミュニティが活発で、情報交換やプラグインの共有が盛んです。

外部リンク

REAPERのホームページ
Cockosホームページ
REAPER Linux

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