REPEAT & FADE

甲斐バンド『REPEAT & FADE』について

1986年にリリースされた『REPEAT & FADE』は、甲斐バンドにとって最後のオリジナルアルバムであり、解散前の重要な作品です。このアルバムは、メンバー4人それぞれのプロジェクトが収められており、各々が4曲ずつ提供する形式となっています。これにより、アルバムは多様で豊かな音楽性を表現しています。

アルバムの特徴

『REPEAT & FADE』は、アナログ盤12インチシングル4枚組という特異なフォーマットでリリースされました。また、ミキサーにはジェイソン・カーサロが携わっており、音質やサウンドの面でも洗練されています。初回限定版には、松山猛と甲斐バンドが共演したフォトセッションの際の写真を使用したポストカードが封入されており、ファンにとっては特別なアイテムとして評価されています。ジャケットデザインは、初回盤がエンボス加工されたブラック・ジャケットで、このデザインは後の再発盤とは異なる特徴を持っています。

各プロジェクトの内容

アルバムは、プロジェクトごとに分かれており、以下のような曲が収録されています。

PROJECTⅠ (N.OMORI)

• - 25時の追跡（instrumental）

作曲：大森信和、編曲：久石譲

• - エコーズ・オブ・ラヴ

作曲：大森信和、編曲：久石譲

• - JOU JOU KA（ジョジョカ）

作曲：大森信和、編曲：久石譲

• - ロマン・ホリデー

作曲：大森信和、編曲：久石譲

PROJECTⅡ (H.MATSUFUJI)

• - O'l Night Long Cruising

作詞：辻仁成、作曲：松藤英男、編曲：大村憲司

• - サタニック・ウーマン

作詞：松尾清憲、作曲：松藤英男、編曲：大村憲司

• - レイニー・ドライヴ

作詞：松尾清憲、作曲：松藤英男、編曲：新川博

• - メガロポリス・ノクターン

作詞：松山猛、作曲：松藤英男、編曲：大村憲司

PROJECTⅢ (I.TANAKA)

• - Funky New Year

作詞：ちあき哲也、作曲：田中一郎、編曲：大村雅朗

• - ジェシー（摩天楼パッション）

作詞：ちあき哲也、作曲：田中一郎、編曲：チト河内

• - Run To Zero

作詞：トシ・スミカワ、作曲：田中一郎、編曲：チト河内

• - 悪魔と踊れ

作詞：トシ・スミカワ、作曲：田中一郎、編曲：大村雅朗

PROJECTⅣ (Y.KAI)

• - ハート

作詞・作曲：甲斐よしひろ、編曲：椎名和夫

• - オクトーバー・ムーン

作詞・作曲：甲斐よしひろ、編曲：久石譲

• - 天使（エンジェル）

作詞・作曲：甲斐よしひろ、編曲：後藤次利・西平彰

• - ALL DOWN THE LINE-25時の追跡

作詞：甲斐よしひろ、作曲：大森信和、編曲：久石譲

リメイク盤と再発

このアルバムは後に甲斐よしひろによるリメイク盤が1987年に、さらに編集盤として2007年にもリリースされています。特に2007年の『REPEAT & FADE Ultimate』では、オリジナルとコンプリート盤から厳選された楽曲を収録しており、新たな魅力を提供しています。リリース形態や楽しみ方が変化しても、アルバムの根底に流れる甲斐バンドの芸術性は変わることなく、多くのファンに愛され続けています。

まとめ

『REPEAT & FADE』は、解散前の甲斐バンドの精髄を感じることができるアルバムで、メンバー各々の個性が際立っています。音楽的な多様性や、特典としてのフォト・ポストカードなど、ファンにとって収集価値のある一枚となっています。今もなお、その楽曲は世代を超えた支持を受けており、名作として語り継がれています。

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