RER D線

RER D線：イル＝ド＝フランス地域圏を南北に結ぶ路線

RER D線は、フランスの首都パリとその周辺地域を走るイル＝ド＝フランス地域圏急行鉄道網（RER）の5路線の1つです。パリ北駅（Gare du Nord）を起点に北部へ向かう路線と、リヨン駅（Gare de Lyon）を起点に南東部へ向かう路線が、パリ中心部を南北に貫く地下線を経由して直通運転されています。この地下線はシャトレ・レ・アル駅（Châtelet - Les Halles）で接続され、効率的な地域間の移動を可能にしています。

RER D線は、フランス国鉄（SNCF）によって運営されています。1987年、それまでB線が使用していたパリ北駅の地下ホームと、北へ向かう地上線が接続され、D線の運行が開始されました。その後、1994年にはA線が使用していたリヨン駅の地下ホームと、南東部へ向かう地上線が接続され、パリ市内を南北に縦断する路線網が完成しました。この拡張により、パリ北部と南東部の郊外を直接結ぶ利便性の高い路線となりました。

RER D線は、RER路線の中でもっとも運行距離が長い路線として知られています。北部ではD1支線でオリ＝ラ＝ヴィル＝コイ（Orly-la-Ville-Crécy）まで、南部ではD2支線でメレン（Melun）、D4支線でマレゼルブ（Malesherbes）まで運行しています。広範囲にわたる路線網は、イル＝ド＝フランス地域圏の住民の生活に欠かせない交通手段となっています。

運行距離の広さだけでなく、RER D線にはいくつかの特徴があります。RER路線で唯一、カルトランジュ（一種の定期券）が使用できない駅が3箇所存在します。これは、これらの駅がRERの主要な運行エリアからやや離れた場所に位置しているためと考えられます。利用者は、事前にチケット購入方法などを確認する必要があります。

RER D線の歴史は、パリの都市開発と密接に関連しています。郊外への人口増加に対応するため、効率的で広範囲をカバーする交通網の整備が急務となり、RER D線はそのニーズに応える形で建設・拡張されました。現在も、利用者の増加や地域開発に合わせて、路線網の改善や運行効率の向上が進められています。

RER D線は、単なる交通手段というだけでなく、パリとその周辺地域の歴史、都市開発、そして人々の生活を反映した重要なインフラとなっています。その運行状況、歴史的背景、そして地域社会との関わりを理解することで、パリとその周辺地域をより深く知ることができるでしょう。今後の発展にも注目です。

関連項目

RER (イル＝ド＝フランス)
パリ＝ノール-リール線
パリ
パリの交通
メトロ (パリ)
直通運転
バンリュー

外部リンク

RATP
SNCF
RERの車両

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