RHYMING CAFE

NOKKO『RHYMING CAFE』：原点回帰とパーソナルな音楽性の追求

『RHYMING CAFE』（ライミング・カフェ）は、NOKKOが発表した5枚目のオリジナルアルバムであり、彼女にとって最後のオリコンチャートトップ10入り作品となりました。また、10万枚を超えるセールスを記録した最後のアルバムであり、古巣であるソニーレコードからリリースされた最後のオリジナルアルバムとしても位置づけられています。

制作背景：NYのカフェから実家スタジオへ

アルバムタイトルは、ニューヨークにあったポエトリーリーディングが盛んな同名の場所からインスピレーションを受けたと、NOKKO本人が2024年のインタビューで明かしています。音楽制作は、NOKKOの実家2階に構えられた「うさぎスタジオ」で行われました。このスタジオ名は、NOKKOが卯年生まれであることに由来しています。

プロデュースとサウンド

アルバムのメインプロデューサーはNOKKO本人と実兄である山田貢司が務めました。さらに、ソロデビュー初期からNOKKOと共演してきた屋敷豪太やC-n-Aも楽曲制作に参加しています。ミキシングは、NOKKOの旧友であり、後に夫となる保土田剛が担当。（屋敷豪太プロデュース曲に関してはJohn Lee。）

NOKKOは本作について、「世界の様々な都市を旅した後、実家に戻り原点に立ち返り、大きな渦に巻き込まれることなく、こじんまりとした個人的な音楽制作・活動を続けていこうと思い、地元の誇り高きアマチュアと個人事務所をはじめ、実家のあった地元の風景をアコースティックなサウンドに見立てたアルバムを作った」と語っています。この言葉からも、本作がNOKKOにとって非常にパーソナルな作品であることが伝わってきます。

パッケージとセールス

初回盤は限定カラーケース仕様でしたが、当時既にセールス的に厳しい状況であったためか、通常盤はほとんど流通しなかったようです。

収録曲について

アルバムには、NOKKOの音楽的なルーツと新たな挑戦が融合した楽曲が収録されています。アコースティックなサウンドを基調としながらも、多様な音楽的要素が取り入れられており、NOKKOの表現力の幅広さを感じることができます。

『RHYMING CAFE』は、NOKKOの音楽キャリアにおいて、重要なターニングポイントとなった作品と言えるでしょう。原点回帰と新たな音楽性の探求が結実した本作は、彼女のファンだけでなく、幅広い音楽ファンにとっても聴きごたえのあるアルバムです。

もう一度検索