RIDDLE JOKER

『RIDDLE JOKER』は、美少女ゲームブランド・ゆずソフトが手掛けた第10作目の作品として、2018年 3月30日にPC向け18禁恋愛アドベンチャーゲームとして発売されました。現代社会に「アストラル」と呼ばれる特殊能力が存在する世界を舞台に、能力者が集まる学園への潜入任務を遂行する主人公の物語が描かれます。

ストーリー

物語の舞台となるのは、20世紀末にその存在が確認され、「超能力」から「アストラル」へと改称された特殊な力を持つ人々が存在する世界です。この「アストラル」を巡る技術研究の中心である「橘花学院」に、主人公である在原暁は潜入任務のため転入します。彼はアストラル能力の使い手であると同時に、その能力を管理する秘匿組織に所属するエージェントでもあります。義妹である在原七海も同行し、二人は学園生活を送りながら任務を進めることになります。

潜入からしばらく経った学園祭の日、暁は学生会長の三司あやせがアストラルに反対する過激派によって危険に晒されていることを知ります。この事態に対し、暁はエージェントとしてあやせを保護する任務を引き受け、見事彼女を危機から救い出します。この出来事を契機に、暁はあやせをはじめ、クラスメイトの二条院羽月、先輩の式部茉優、そして妹の七海、後輩の壬生千咲といった個性豊かなヒロインたちとの関係性を深めていきます。エージェントとしての顔と学生としての顔を持ち、それぞれのヒロインと交流を深めていく中で、物語は各ルートへと分岐し、彼女たちとの恋愛模様が詳細に描かれていきます。

登場人物

在原暁：本作の主人公。表向きは普通の学生ですが、裏では秘匿組織のエージェントとして活動しています。橘花学院への潜入が彼の任務です。
三司あやせ：主人公のクラスメイトであり、学園の学生会長。明るく人当たりの良い学院のアイドル的存在ですが、主人公の前では別の顔も見せることがあります。
在原七海：主人公の義理の妹。家事やPCスキルに優れており、主人公の潜入任務をサポートします。ひっそりと隠された趣味も持っています。
式部茉優：学院の先輩であり、アストラル能力を研究する研究員。思ったことを率直に口にするタイプです。
二条院羽月：主人公のクラスメイトで、学生寮の寮長も務めます。警察官の父を持ち、強い責任感を持っています。時代劇を好むなど、少し変わった趣味があります。
壬生千咲：主人公の後輩で、七海のクラスメイト。非常に明るく人懐っこく、妹からは「光属性」と評されています。

制作と音楽

キャラクターデザインと原画は、ゆずソフト作品でお馴染みのむりりん氏とこぶいち氏が手掛け、SD原画はこもわた遙華氏が担当しました。シナリオは天宮りつ氏、砥石大樹氏、保住圭氏が担当し、物語を紡ぎ出しました。キャスティングにおいても、七海役のくすはらゆい氏の演技が妹らしさと兄への想いを絶妙に表現している点や、羽月役の遥そら氏がキャラクターの個性を引き出す演技を見せた点など、制作側のこだわりがうかがえます。

作品世界を彩る音楽も魅力の一つです。橋本みゆき氏と佐咲紗花氏が歌うオープニングテーマ「astral ability」は作品の雰囲気を盛り上げます。また、各ヒロインのエンディングテーマとして、霜月はるか氏「ゆびきり」（三司あやせ）、葉月氏「ずっと」（在原七海）、tohko氏「初恋」（式部茉優）、羽生みいな氏「恋だより」（二条院羽月）、春風まゆき氏「陽だまり笑顔で」（壬生千咲）がそれぞれ使用されており、物語の余韻を深くします。これらの楽曲は、オリジナルサウンドトラックに全て収録されています。

反響と関連商品

『RIDDLE JOKER』は発売から高い人気を維持し、2024年3月には全世界での累計販売本数が20万本を突破する大きな成功を収めました。特に、在原七海役を演じた声優のくすはらゆい氏の人気は非常に高く、日本国内だけでなく海外からも多くのファンレターが寄せられるほどです。現在でも、七海のグッズ展開やASMRコンテンツなどがリリースされており、その根強い人気が伺えます。

ゲーム本編に加え、主要ヒロインたちのキャラクターソングを収録したCDや、ゲームのBGMを全て網羅したオリジナルサウンドトラック、そして本編では描かれなかったエピソードを楽しめるドラマCDなど、様々な関連商品が展開されており、作品のファンはゲームクリア後も『RIDDLE JOKER』の世界を楽しむことができます。

スパイとしての顔を持つ主人公が、特殊能力者の学園で任務と恋愛の狭間で揺れ動く本作は、ゆずソフトならではの魅力的なキャラクター造形と、サスペンスと日常、そして恋愛要素が巧みにブレンドされた物語で、多くのプレイヤーに支持されています。その人気は国内外に広がり、現在もなお多くのファンに愛され続ける一作です。

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