RIDE ON TIME (山下達郎の曲)

「RIDE ON TIME」について

「RIDE ON TIME」は、山下達郎による通算6作目のシングルであり、1976年から1982年にかけてリリースされた楽曲の中でも特に高い評価を受けています。最初のリリースは1980年5月1日、続いて2003年2月19日に再びシングルとして登場しました。この楽曲は、シティ・ポップスの草分け的な存在として位置づけられ、これ以降のアーティストに多大な影響を与えました。

音楽的背景

「RIDE ON TIME」はシングルとして発売されると同時に、後の同名アルバム『RIDE ON TIME』にも収録されました。ただし、アルバム収録にあたっては新たにレコーディングが行われ、シングル・ヴァージョンとは異なる表現が生まれました。シングルは、ベストアルバムやオールタイム・ベストにも採用されており、その人気がうかがえます。また、ライブ・アルバム『JOY –TATSURO YAMASHITA LIVE–』にはライヴ・ヴァージョンも収められています。

この曲は、マクセル・カセット・テープのテレビコマーシャルのために制作され、山下自身が出演したことで話題を呼びました。製作にあたっては、サイパンでのロケを経て、メンバーとのセッションを重ね、独自のリズム・パターンが形成されました。青山純、伊藤広規、椎名和夫、難波弘之という後のライブメンバーとの初コラボレーションとなりました。

新バージョンとテレビ出演

2018年には、フジテレビのドキュメンタリー番組『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME 〜時が奏でるリアルストーリー〜』の主題歌として、ボーカルパートが再録音され、新たな「RIDE ON TIME (2018 NEW VOCAL VERSION)」が誕生しました。このように時代を超えて再演され続けることで、楽曲の持つ普遍的な魅力が証明されています。

デモバージョンの存在

さらに、アルバム『THE RCA ⁄ AIR YEARS LP BOX 1976-1982』には、歌詞や曲調が異なるデモテープが収録されています。この当時、CM制作の際には異なるバージョンを提出するのが一般的で、「RIDE ON TIME」もその影響を受けています。デモの録音はメンバー全員が集まり、コーラスやサックスのアレンジが加えられました。小杉理宇造が好んだこのバージョンは、後に「ONE MORE TIME」として近藤真彦の楽曲の一部として再利用されました。

チャート成績とアートワーク

リリース当初、「RIDE ON TIME」は50万枚を売り上げ、山下にとってオリコンチャート入りを果たした記念すべき曲となりました。この楽曲の成功は、山下のキャリアにおける重要な転機となり、今なお多くの人々に愛されています。ジャケットアートにも工夫が施されており、裏面には当時の事務所の連絡先が載せられています。

ミュージックビデオと最近のリマスター

2023年には、山下が1976年から1982年にリリースしたアナログ盤やカセットの復刻を記念し、「RIDE ON TIME」のCM映像がYouTubeで公開されました。これにより、当時の音楽活動や広告展開を振り返る貴重な機会が提供されました。

「RIDE ON TIME」は、シンプルでありながら深い響きを持った曲として、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。その遺産として、様々な形で記憶され、多くのアーティストに影響を与え続ける存在であり続けます。

もう一度検索