RJCカー・オブ・ザ・イヤー

RJCカー・オブ・ザ・イヤー：日本の自動車界を彩るもう一つの栄冠

RJCカー・オブ・ザ・イヤーは、日本を代表する自動車賞の一つとして、日本カー・オブ・ザ・イヤー（COTY）と並び称されています。1992年に、自動車ジャーナリストや研究者らによって設立されたNPO法人、日本自動車研究者ジャーナリスト会議（RJC）が主催しています。COTYに対抗する形で誕生したこの賞は、独自の選考基準と受賞車の特徴から、日本の自動車業界に多様な視点をもたらしています。

COTYとの違い：選考基準と受賞車の傾向

RJCとCOTYの最も大きな違いは、選考基準とそれに基づく受賞車の傾向にあります。COTYが、モータースポーツ出身の評論家を多く擁し、運動性能を重視する傾向があるのに対し、RJCは自動車メーカーの技術畑出身者を中心に、技術革新や独創性を評価する傾向が強いです。

この違いは、受賞車のラインナップにも如実に表れています。RJCでは、低価格帯の乗用車や軽自動車、特にスズキ車の受賞が目立ちます。一方、COTYでは高級車やスポーツカーが多く選ばれています。例えば、スズキ車はRJCで複数回受賞している一方、COTYでは受賞歴がありません。軽自動車もRJCでは複数回受賞していますが、COTYでは長らく受賞がありませんでした（2014年よりスモールモビリティ部門賞、後に「K CAR オブ・ザ・イヤー」が新設され、状況が変わってきています）。

しかし、両賞で同一車種が受賞するケースもあり、両賞の評価基準が完全に異なるわけではないことを示しています。2012年の日産リーフや2022年の日産ノート／ノートオーラなどは、RJCとCOTYの両方で本賞を受賞しています。輸入車についても、COTYが輸入車部門を設けているのに対し、RJCは基本的に国産車のみを対象としています。

RJCの選考と発表時期

発表時期についても、COTYとRJCでは違いがあります。COTYは年度を跨いでの発表であるのに対し、RJCは年度内での発表となります。また、発表時期についても、過去にはRJCが先行していましたが、現在はCOTYが先行し、その後RJCが発表する形となっています。

RJCの活動と組織

RJCは、「自動車の性能、利便性などの評価を行い、国産車、輸入車の製造、販売、購入、使用などに関わる人たちすべてに対して、直接もしくは諸種の媒体を通じて提言を行う、また自動車の交通、安全、環境保全などの問題に対しても貢献する」ことを目的としています。

RJCでは、カー・オブ・ザ・イヤーの選考に加え、「テクノロジー・オブ・ザ・イヤー」や「パーソン・オブ・ザ・イヤー」なども選考しています。「テクノロジー・オブ・ザ・イヤー」は、その年に発売された新型車に採用された画期的な技術を表彰する賞であり、「パーソン・オブ・ザ・イヤー」は、自動車業界で最も傑出した人物を表彰する賞です。

RJCの組織は、理事会、監事、選考委員会、情報委員会、研究委員会、技術部会、幹事などで構成され、多くの自動車ジャーナリストや研究者が参加しています。

まとめ

RJCカー・オブ・ザ・イヤーは、COTYとは異なる視点から日本の自動車業界を評価する重要な賞です。選考基準の違いや受賞車の傾向、そしてRJCの活動内容を知ることで、日本の自動車業界の多様性と奥深さを理解することができます。

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