ROCKIN'ON JAPAN

誌名と概要

『ROCKIN'ON JAPAN』（ロッキング・オン・ジャパン）は、ロッキング・オン社が発行する邦楽ロック・ポップス専門の音楽雑誌です。通称は「ジャパン」、「ロキノン」、「ロキノンジャパン」、「ロッキン」など多様であり、ライターや読者に親しまれています。

この雑誌は、洋楽誌『rockin'on』の増刊として1986年9月に創刊され、毎月30日に新しい号が発行されています。その特徴的なスタイルは、アーティストの経歴や幼少期、音楽的背景に焦点を当てた「○万字インタビュー（基本的に2万字）」の形式に表れています。

創刊と初期の発展

初代編集長は渋谷陽一氏であり、彼は「邦楽雑誌を作るなら彼を表紙にする」という思いを持っていました。その結果、創刊号の表紙には佐野元春が登場しました。雑誌は「シリアスなロックをシリアスに語る」というコンセプトに基づき、若手カメラマンの作品を掲載するビジュアル雑誌としても位置づけられました。洋楽誌『rockin'on』とは異なる判型（A4変型）で手に取ることができます。

最初の数号は隔月刊での発行でしたが、第8号以降、月刊化しました。渋谷氏はその後のインタビューで『ROCKIN'ON JAPAN』の目指すべき姿や誌面の現状についても言及し、様々なアーティストを取り上げることで日本のロックシーンを幅広く反映しようとしていました。

編集方針とアーティスト

90年代初頭、編集部内では人気アーティストに対するページ配分を巡る争いがあり、フリッパーズギターやXなどのアーティストが取り上げられました。しかし、部数は他のメジャー誌と比べて伸び悩んでいました。1991年に山崎洋一郎氏が二代目編集長として就任し、その後は小沢健二やソウル・フラワー・ユニオンといったアーティストが表紙を飾るようになりました。

編集方針の変更によりリニューアルを敢行した結果、雑誌のスタンスが明確になり、柔軟なアーティスト選定とカジュアルな撮影スタイルが取り入れられました。この時期から、エレファントカシマシやTHE YELLOW MONKEYといったバンドがブレイクし、音楽シーンにも変化が生じました。

発展と変革

2000年には、鹿野淳が三代目編集長に就任し、大型野外イベント『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』を初めて開催しました。また、編集体制が二人の共同編集長体制に移行しましたが、売上の問題からすぐに月刊に戻りました。

2003年には再びのリニューアルが行われ、新しいロゴと判型が導入され、このスタイルは現在まで引き継がれています。その後、山崎が編集長に復帰し、古河晋や小栁大輔が役割を交代しながら、雑誌のビジョンを守り続けてきました。

現在の課題

2021年には、インタビュー内容が問題視され、批判が巻き起こる一方で、山崎編集長は謝罪し、この件に対する対応に追われました。これにより、雑誌としての方向性や編集方針についても見直しが図られる可能性があります。

総論

『ROCKIN'ON JAPAN』は、邦楽ロックとポップスの魅力を深く掘り下げることで、リスナーと音楽シーンを繋ぐ重要な媒体であり、多くのアーティストの成長を支えてきました。

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