RTLグループ

RTLグループについて

RTLグループ（RTL Group S.A.）は、ルクセンブルクのキルヒベルクに本社を構える、ヨーロッパ最大規模のメディア企業です。ラジオ・テレビジョン・ルクセンブルク（Radio Télévision Luxembourg）を中核とし、ヨーロッパ全域で多岐にわたるメディア事業を展開しています。フランクフルト証券取引所にも上場しており、その規模と影響力の大きさが窺えます。

歴史

RTLグループの歴史は、1931年にラジオ・ルクセンブルク（CLR）として開局したことに始まります。フランスの実業家によって設立されたこのラジオ局は、当時としては画期的な長波送信機を導入し、強力な電波で広範囲に放送を届けました。

1933年には、広告収入を基盤としたフランス向け番組の放送を開始。同年12月には英語放送も開始し、ヨーロッパ最強の長波局としての地位を確立しました。当時のイギリスでは、BBCが日曜日に宗教的な番組を放送していたため、多くのリスナーがCLRに切り替えたと言われています。また、BBCでは放送が認められていなかったコマーシャルを放送したことも、RTLがヨーロッパ初の民放ラジオ局の一つとなる要因となりました。

第二次世界大戦中は、CLRは一時閉鎖されました。しかし、連合国軍はドイツ語放送「ライヒスファンク」に対抗するため、CLRの電波を利用。特に、「アニー」というコードネームで知られる送信所1212は、アメリカ軍諜報機関によって運営され、ドイツ国内のレジスタンスを支援する放送を行いました。この放送は、あたかもドイツのレジスタンスによる放送であるかのように装い、ヒトラーへの反対と戦争終結を呼びかけました。

戦後、RTLはヨーロッパ放送連合の創立メンバーとなり、1954年には社名をCompagnie Luxembourgeoise de Télédiffusion（CLT）に変更しました。その後、1997年にドイツのUFA Film- und Fernseh-GmbHと合併、2000年にはイギリスのピアソンTVを統合し、現在のRTLグループとなりました。2001年には、グループ・ブリュッセル・ランバートから株式の一部を譲り受け、2019年現在、ドイツのメディア企業ベルテルスマンが株式の約75%を保有しています。

主なメディア

RTLグループは、テレビ、ラジオ、テレビ番組制作など、多岐にわたるメディア事業を展開しています。

テレビ
RTL Télé Lëtzebuerg（ルクセンブルク）
RTLテレビジョン（ドイツ）
RTL9（フランス）
M6（フランス）
RTL-TVI（ベルギー）
Club RTL（ベルギー）
RTL 4（オランダ）
RTL 5（オランダ）
Five（イギリス）
Fiver（イギリス）
RTL Kockica（クロアチア）
RTL Klub（ハンガリー）

ラジオ
RTL、RTL2（フランス）
RTLラジオ（ドイツ、ルクセンブルク）

テレビ番組制作会社
* フリーマントルメディア


これらのメディアを通じて、RTLグループはヨーロッパのメディア業界において重要な役割を果たしています。

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