グループ・ブリュッセル・ランバート

グループ・ブリュッセル・ランバート（GBL）: ベルギーを代表する投資会社とその歴史

グループ・ブリュッセル・ランバート（GBL）は、ベルギーを代表する老舗の投資会社です。その歴史は、ランベール家にまで遡り、レオン・ランベールはフランスの名門ロスチャイルド家の血を引く人物でした。1956年からはBEL20（ブリュッセル証券取引所の主要20銘柄）に名を連ねるなど、ベルギー経済において重要な地位を占めています。

GBLの成立は、1871年創業のブリュッセル銀行と、ロスチャイルド系ランベール銀行の合併に端を発します。1975年の合併によって誕生したGBLは、その後、アメリカの大手投資銀行ドレクセル・バーナム・ランベール（Drexel Burnham Lambert）の株式を支配下に置きました。

ドレクセルは、米墨戦争時の融資や、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンからの投資部門の吸収合併など、激動の時代を生き抜いてきた銀行です。しかし、マイケル・ミルケンを擁するドレクセルは、ジャンク債を積極的に活用し、コールバーグ・クラビス・ロバーツ（KKR）などの企業によるレバレッジド・バイアウト（LBO）を推進しました。

GBLはドレクセルを通してジャンク債市場で大きな影響力を持ち、その取引情報を利用してインサイダー取引を行ったとされています。これらの違法行為により、ドレクセルは巨額の課徴金が科され、1994年には倒産しました。

ドレクセルの台頭と崩壊と並行して、GBLの経営構造にも変化が生じました。1981年にはパルゲサ（Pargesa Holding S.A.）がGBLの経営権を掌握します。パルゲサは、コンパニー・ナショナル・ア・ポトファイ、カナダのパワーコーポレーション、BNPパリバといった複数の企業が共同で支配していました。2004年時点ではパルゲサがGBLの発行済み株式の48％を保有し、GBL自身も自己株式を保有することで、パルゲサが実質的な支配権を握っていました。

2013年には、イタリアのアニェリ家傘下のエクソールがGBL株式の大口取得に踏み切り、その影響力を拡大しました。

GBLは、長年にわたって数多くの企業への投資を行ってきました。そのポートフォリオは多岐にわたっており、世界的な企業が名を連ねています。

GBLの歴史を語る上で、ローノワ伯爵（Comte de Launoit）の存在も無視できません。ローノワ伯爵はベルギーの金融界に大きな影響力を持つ人物であり、ブリュッセル銀行やその傘下の投資銀行ブリュフィナ、そして鉄鋼業界の大手企業との深い関係を持っていました。ローノワ伯爵の金融グループは、戦間期におけるベルギーの産業構造に大きな影響を与えました。2014年に亡くなったジャン＝ピエール・ローノワ伯爵は、GBLの副会長やアクサ・ベルギーの会長を歴任し、その影響力は絶大でした。

GBLは、その歴史の中で、数々の成功と失敗を経験し、ベルギーのみならず国際的な金融市場において重要な役割を果たしてきました。ロスチャイルド家との繋がり、ドレクセル・バーナム・ランベールとの関係、そしてレバレッジド・バイアウトやインサイダー取引といった事件は、GBLの歴史を理解する上で欠かせない要素です。今後も、GBLの動向から目が離せません。

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