RX (バンド)

RX：聖飢魔IIの遺伝子を受け継ぐフュージョン・バンドの軌跡

RXは、日本の音楽シーンに独自の進化を遂げたインストゥルメンタル・フュージョン・バンドである。その音楽性は、ジャズ、ファンク、プログレッシブ・ロックといった複数のジャンルを巧みに融合させ、唯一無二の世界観を構築している。

メンバーと結成

RXの核となったのは、聖飢魔IIで活躍した雷電湯澤（ドラムス）と石川俊介（ベース）の二人である。聖飢魔IIサポートメンバーとして活動していた松崎雄一（キーボード）が加わり、3人の強力な布陣が完成した。バンド名は、雷電湯澤とゼノン石川のそれぞれの名前の頭文字から取られている。

1991年デビューと異例のヒット

1991年、RXは記念すべきファーストアルバム『CHEMICAL REACTION』を発表。本多俊之、渡辺香津美、和田アキラといった日本を代表するミュージシャンたちがゲスト参加した豪華な布陣も話題を呼び、オリコンチャート最高14位という、インストゥルメンタル・アルバムとしては異例のヒットを記録した。このアルバムを引っ提げたライブツアーでは、多くのゲストミュージシャンがステージに立ち、その熱気はライブ・アルバム『Rare' Xtra』に収録されている。

聖飢魔II活動休止と再始動

その後、メンバーの聖飢魔II活動に専念するため、RXは一時活動を休止する。聖飢魔II解散後、RXは人間の姿で活動を再開。2000年には、アルバム『Zeitmesser』を発表し、初の全国ツアーも成功させる。

国際的なコラボレーションと発展

2001年には、アルバム『Elements』をリリース。この作品には、世界的ベーシストのジョン・ウェットンが参加した。ウェットンはアルバム完成直後に行われたライブにもゲスト参加し、その縁からロンドン公演のサポートメンバーに抜擢される。ウェットンと共に演奏したエイジアの楽曲を含むロンドン公演の模様は、DVD『live in LONDON』として発表された。

続く2002年にはアルバム『KISS OF LIFE』を発表、東名阪ツアーを行う。さらに、コンピレーション・アルバム2枚を発表、それに伴うツアー「RXの休息」を経て、再び活動を休止した。活動休止期間中も、メンバーは「デーモン小暮の邦楽維新Collaboration」で「黒船バンド」名義でのライブ活動を行っていた。

2013年、復活と新たな境地

10年の沈黙を破り、2013年にRXは復活を遂げた。そして発表されたのは、プログレッシブ・ロック色を強めたアルバム『Heliosphere』。長い休止期間を経て、新たな音楽性でファンを魅了した。

代表曲と参加ミュージシャン

RXの作品には、ジョン・ウェットン、ジョー・リノイエ、ロビー・ダンズィー、ブレンダ・ヴォーン、ルーク篁II世、藤井陽一など、数々の著名なミュージシャンが参加している。彼らの卓越した演奏技術と創造性は、RXの音楽をさらに輝かせた。

まとめ

RXは、聖飢魔IIという独特の経歴を持つメンバーによって結成され、高い音楽性と豪華なメンバー陣、そして活動休止と復活劇というドラマチックな歴史を持つ、他に類を見ないバンドである。その音楽は、時代を超えて多くのリスナーを魅了し続けている。ジャズ、ファンク、プログレッシブ・ロックといった様々な音楽要素を融合させた独自のスタイルは、日本のインストゥルメンタル・ミュージック史に大きな足跡を残したと言えるだろう。

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