ジョン・ウェットン

ジョン・ウェットン: ロックの巨星

ジョン・ウェットン（1949年6月12日 - 2017年1月31日）は、イギリスのロックシーンにおいて多くの名曲を生み出したボーカリスト、ベーシスト、ソングライターでした。彼は、キング・クリムゾン、U.K.、エイジアなどの著名なバンドでの活動で特に知られ、多彩な音楽性と独自のスタイルを築き上げました。

音楽キャリアのスタート

ウェットンはダービーシャー州ウィリントンに生まれ、青春時代にドーセット州ボーンマスに移住しました。音楽愛好家の家族の影響を受け、特に兄のオルガンやピアノ演奏を手伝いながら育ったことで、早い段階から音楽に親しみました。ロックンロールやR&Bの影響を受けてエレキギターに手を出しますが、実際の音楽キャリアはボーンマスやロンドンの地元バンドでの活動から始まりました。

彼は1971年にモーグル・スラッシュに加入し、プロデビューを果たしましたが、このバンドの活動は短命で、すぐにファミリーに移ることとなります。ここでの功績を経て、ウェットンは1972年にキング・クリムゾンに参加し、その後のキャリアの基盤を築いていきます。

キング・クリムゾンでの成功

ウェットンが在籍したキング・クリムゾンでは、アルバム『太陽と戦慄』や『レッド』などが世に出されました。これらの作品は、プログレッシブ・ロックの金字塔として評価されています。しかし、1974年にバンドが解散し、新たな道を模索することになります。彼はユーライア・ヒープやロキシー・ミュージックのツアーにも参加するなど、様々な音楽シーンで活躍しました。

エイジアとその後の活動

1980年には、プログレッシブ・ロックスーパーグループ、エイジアを結成し、『詠時感〜時へのロマン』で瞬く間にアメリカのトップチャートを制覇します。この成功は、ウェットンにとって最も波及効果のある瞬間となりますが、1983年にアルコール依存症によりバンドから解雇されます。彼はその後も個人としての活動やセッションミュージシャンとして他のアーティストと協力し続けます。

晩年と影響

2000年代に入ると、健康上の問題に悩まされながらも、ウェットンは音楽シーンでの存在感を維持しました。2006年にはエイジアのオリジナルメンバーとして再結成し、再び活躍の舞台に立ちました。しかし、彼は2017年に大腸癌との闘病生活の末、67歳でこの世を去ります。

ウェットンはその卓越したベース演奏と哀愁漂うボーカルスタイルで、多くのロックファンに愛され続けました。彼の音楽は、今もなお多くのアーティストに影響を与え、特に日本のファンとの関係も深かったことで知られています。日本公演では彼の特徴的な日本語を交えた挨拶が人気を博し、記憶に残ったファンも多いでしょう。彼の音楽はジャンルを超えて人々を魅了し、ロック界に燦然と輝き続けています。

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